出版社内容情報
「やがて私の時代が来る」と自己の前衛性を確信していたグスタフ・マーラー.彼の交響曲は自由で柔軟,感傷的で情感的,また急激な大爆発を起こすなど,近代人の知性と矛盾をさらけ出している.著者はマーラーの作品の背後に非西欧世界にも及ぶ広大な音楽文化圏の存在を見いだし,現代音楽への道を切り開いていった彼の歩みを跡づける.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
忽那惟次郎8世
7
柴田南雄の文章というのは本当に味があり 文章が上手い 私は柴田を作曲家と文筆家と同じ比重で評価をしている この本を読んだら次は「音楽骸骨のはなし」を読むことにしておりそれを楽しみにしている。 柴田が作曲家を志すきっかけとなったのは旧制高校1年の時に聞いたマーラーの交響曲6番だという そしてその6番については1979年のカラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏会のことを本の中で書いているが 実は私も高校生の時にそのコンサートに行っており 唯一私がカラヤンを生で聴いたのもそのコンサートだった だからとても感慨深い2020/06/27
げに
2
マーラー関連本②。 下鴨神社古本まつりで100円で叩き売られてたので即保護しました。 やや古さを感じるのは否めないが、マーラーの作品解説としては最低限の情報は整理されているかと。 しかしそれよりも、その目で見届けてきた著者による戦前日本のマーラー受容ドキュメントという要素も大きく、こちらの方が面白い。2016/08/16
とす
2
この本を読み終えて少しマーラーを聴きたくなった。長いしよく分からないしで敬遠してきたがもう少し聴いてみようと思う。まずはCDで、次に生で聴きたい。2015/06/26