出版社内容情報
日本国家の起源については,今日なお幾多の解明されるべき問題が残されている.これまでの歴史学の成果を検討しながら,日本に唯一の統一組織が成立した時期,その経過を描き,さらに国家統一をうながしたものは何であったかを追求,「日本に英雄時代はあったか」「国土統一者は征服王朝か」など,本質的問題に鋭い考察を加える.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリータ
6
応神朝に力点。2016/03/01
hyena_no_papa
5
数十年ぶりに再読。読後最初に思ったのは、津田史観に絡め取られながらも、何とか自分の足で前へ進みたいと〝もがいている〟著者の姿。「応神朝は日本の歴史の上の、エポック・メイキングな時代である。応神・仁徳・履中の三陵は確かに、古代天皇制国家の確立の記念碑である。」とするも、大和の多くの前期古墳についての考察から逃れているのは、いかにも不審。これだけの土木工事に大量の人員資材を動員できるということは一定の疆域を持った古代国家が大和に成立していたと考えて何らの支障もないはず。崇神朝を大和国家成立の一画期とみて是。2021/10/28
takao
4
ふむ2024/03/02
れぽれろ
4
1960年の古代史本。細部では古い部分もありそう(騎馬民族説の批判的検討や、邪馬台国九州説など)ですが、仲哀-応神間に断絶があり司祭国家から階級国家に移行したという結論や、古代天皇の特徴別のグループ分けなどたいへん面白く読みました。2022/06/30
おらひらお
1
1960年初版。古代史の古典的新書の一冊です。僕が持っているのは1983年で26刷。昔の人はよく本を買っていましたね。2016/03/07