出版社内容情報
はじめての赤ちゃん.待ちに待った誕生.しかし,新米の母親父親にとって子育ては不安の連続でもある.授乳のしかた,衣服の調節,夜泣き,離乳,加えて下痢や発熱,ひきつけなど赤ちゃんの病気も多い.ゆったりした楽しい気持ですこやかな赤ちゃんを育てるために,家庭は,社会はどうあってほしいかを,赤ちゃんの目を通して考える.
内容説明
はじめての赤ちゃん。待ちに待った誕生。しかし、新米の母親父親にとって子育ては不安の連続でもある。授乳のしかた、衣服の調節、夜泣き、離乳、加えて下痢や発熱、ひきつけなど赤ちゃんの病気も多い。ゆったりした楽しい気持ですこやかな赤ちゃんを育てるために、家庭は、社会はどうあってほしいかを、赤ちゃんの目を通して考える。
目次
1 生まれて半年(産院―やかましいのが一ばんきらい;乳がでない―あせっちゃだめです;わが家―ダンチ住宅 ほか)
2 誕生前後(腸重積(急におこる腹痛;規則的な痛み;早ければ手術せずに)
目方が足りない―さかんな生活力
健康優良児―デブは人生の目的でない ほか)
3 一歳半まで(歩行器―ありがためいわく;動物園―あわれな動物;急に元気がない―エキリかもしれない ほか)
著者等紹介
松田道雄[マツダミチオ]
1908‐98年。1932年京都大学医学部卒業、小児科医
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
77
1960年。新聞連載がその前年で、ちょうど60年前。中身が変わっても、子育てが大変なのは今も同じだろう。小児科の開業医である著者が、物言えぬ赤ちゃんになりかわって、大人に語りかける見開き2ページ。いわさきちひろのカットが、心にやさしい。親は子どもの健康を気にしすぎがちだが、本当に気にするべき点も押さえながら安心を与えてくれる。読み物としても、意外な視点からの世界が今もなお新鮮だ。2019/05/26
みっくす
61
夏頃から昼食時間にちまちま読み進めていました。小児科医である作者が赤ちゃん目線で書いた育児書。最初はおっさん染みた赤ちゃんに違和感ありありでしたが、徐々に馴染んできました。これを読んでいると息子の視点で考えることも増えました。病院に行ったとき、ベビーベッドで一人でいるとき、お兄ちゃんと遊んでいるとき、こんな気持ちでいるのかなと考えるといっそう育児が楽しめる気がします。私の母が生まれる前に出た本なので、流行している病気や対応も古い感じところもありますが、勉強になることも多く読んで良かったです。2017/02/09
gtn
29
昭和35年発刊。上昇志向故の子への過度の期待と、近代医学を振り回す医師への盲従を初めて経験した時代。その戸惑いを赤ちゃんに託して語る。まだその頃はかろうじて世の中の節度が生きていて、膨張する欲望は抑えられていたか。しかし、作中の赤ん坊が嫌がるアパートのピアノ音は、14年後、殺人事件の惨劇を引き起こす。2020/06/20
春
25
子ちゃん育て中の人へ向けた本のようだけど、赤ちゃんの方に感情移入してしまった。人生3ヶ月だからしょうがない、この言葉ほど説得力のある言葉を知らない。人生3ヶ月の人から見た世界とその関わりが最高だった。名言はありすぎて書ききれない、、。「やかましいのは付添のおばさんたちのおしゃべりだ。(略)ほんとにうるさい。どうしてそんなに他人の生活に興味をもつんだろう。自分の生活が空虚なんだね、きっと」「私は自衛上、大声をあげて泣いた」「ママが私を診療所から外にだしてくれると、たちまち人生がたのしくなったのを感じた」→2021/03/08
niisun
24
タイトル通り、小児科医の先生が赤ちゃんの心を代弁して書かれた、育児の心得本というところですかね。あとがきで著者が「親の心配の症状論のつもりで書いていった」と言っているように、とかく過剰反応になりがちな親を諫めると言うのか、落ち着いて考えさせるように促すような内容になっているのが興味深いですね。1960年発刊と、私が生まれるさらに10年以上前の本ですが、それほど古さを感じさせないのは、どんなに医学や技術が進歩しても、初めて子供を育てる親の心象ばかりは、お国も時代も関係ないということでしょうね♪2015/02/26