出版社内容情報
現代日本の思想が当面する問題は何か.その日本的特質はどこにあり,何に由来するものなのか.日本人の内面生活における思想の入りこみかた,それらの相互関係を構造的な視角から追求していくことによって,新しい時代の思想を創造するために,いかなる方法意識が必要であるかを問う.日本の思想のありかたを浮き彫りにした文明論的考察.
内容説明
現代日本の思想が当面する問題は何か。その日本的特質はどこにあり、何に由来するものなのか。日本人の内面生活における思想の入りこみかた、それらの相互関係を構造的な視角から追究していくことによって、新しい時代の思想を創造するために、いかなる方法意識が必要であるかを問う。日本の思想のありかたを浮き彫りにした文明論的考察。
目次
1 日本の思想(日本思想史の包括的な研究がなぜ貧弱なのか;日本における思想的座標軸の欠如 ほか)
2 近代日本の思想と文学―一つのケース・スタディとして(政治‐科学‐文学;明治末年における文学と政治という問題の立てかた ほか)
3 思想のあり方について(人間はイメージを頼りにして物事を判断する;イメージが作り出す新しい現実 ほか)
4 「である」ことと「する」こと(「権利の上にねむる者」;近代社会における制度の考え方 ほか)
著者等紹介
丸山真男[マルヤママサオ]
1914‐96年。1937年東京大学法学部卒業。専攻は政治学、日本政治思想史
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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はっせー
123
かなり難しかった! この本は大学のゼミの先生におすすめされた本である。丸山眞男さんのことは高校時代から知っていた。だが、今まで読んだことがなかった。今回読んでみて難しい概念や説明が多く理解するのに時間がかかってしまった。まだ丸山眞男さんが言うことが完全に理解することができない。そのため丸山眞男さんの他の本や丸山眞男さんの思想に影響を与えた人の本を読んで理解したいと思った!2019/10/11
kaizen@名古屋de朝活読書会
92
日本の思想とあるが、近代日本思想についての書籍である。 もともとは4つの文章を1冊にしたものとのこと。 1 日本の思想 2 近代日本の思想と文学 3 思想のあり方について 4「である」ことと「する」こと 最後の「である」社会と「する」社会の混交について、夏目漱石を例に示している。 考える視点、文章を書く視点としても有益だと感じた。岩波新書百一覧掲載http://bit.ly/10CJ7MZ2013/06/23
SOHSA
52
《購入本》何度目かの再読。何回読んでも新しい発見や気づきがある。1961年発刊とは驚き。本書は4章に分かれており、Ⅰ「日本の思想」Ⅱ「近代日本の思想と文学」Ⅲ「思想のあり方について」Ⅳ「であることとすること」で構成されている。個人的にはⅠとⅢがわかりやすい。日本の國体思想の形成過程とその視点は、事の善悪は別にしてもなかなかに興味深い。2016/01/13
yomineko@猫と共に生きる
50
読友のはっせーさんからのご紹介です。内容はかなり難しいですが読みごたえがありました。昔の日本人の教養の深さ、高さを思い知りました。1995年時点で第61刷発行の驚異!2019/10/25
壱萬弐仟縁
47
’61年初出。高校3年の時の現代文でⅣ「である」ことと「する」こと(‘58年初出) を読んだ記憶がある(153頁~)。確かな記憶である。あの頃は、模試で点が取れずに困っていた。官僚の思考様式はマンハイムが閉鎖的=静態的な論理のシステムをつくり上げて、個々の裁量や決断はこのシステムの具体化と想定(96頁)。自然科学者と社会科学者の間に、本質的に同じ任務をもっている連帯意識が乏しい。大学や学界の哲学と社会科学の交流がなく、タコツボ化した(133頁)。 2014/12/22