出版社内容情報
一八四二年,父親の経営するマンチェスターの工場で働き始めたエンゲルス(一八二〇‐一八九五)は,資本家による苛酷な労働者搾取の現実を目のあたりにして,労働者の生活状態についての実態調査と研究を重ねた.本書はこの成果をまとめたもので,資本主義の原罪を明らかにしてゆく若きエンゲルスの情熱がほとばしる労働者生活史の古典.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぴろりん
4
19世紀に父親の経営するマンチェスターの工場で働き始めた著者が労働者の生活状態について実態調査、研究をした100年以上前にイギリスで書かれた本ですが、株取引市場が実質経済を上回るような状態や、資本主義の本質が人間労働力の搾取にある点など、派遣労働者法改悪で揺れる日本にも、貧富の差が年々激しくなる昨今の世界にも当てはまる点が多いと思います。 ある程度の格差は仕方ないにしても、貧困はあってはならないし、それは長期的に見れば社会的問題や社会的コストを増大させるだけなのだ。と改めて感じました。2015/06/20
ちゃんちゃん
0
卒論の参考文献。2017/01/09
斉藤達也
0
エンゲルスの本は初めて読んだが、ユーモアに溢れているのが意外だ。トイレ事情、未成年の就労、等改善された点は多々あるが、資本家と労働者の敵対的な関係は200年経っても何も変わらない。2023/05/24
どうろじ
0
女性労働者への工場主の「初夜権」という発想おもしろかった。2020/10/27