出版社内容情報
「今日までのあらゆる社会の歴史は階級闘争の歴史である」という有名な句に始まるこの宣言は,階級闘争におけるプロレタリアートの役割を明らかにしたマルクス主義の基本文献.マルクス(一八一八―八三)とエンゲルス(一八二〇―九五)が起草,一八四八年の二月革命直前に発表以来,プロレタリア運動の指針となった歴史的文書である.
内容説明
「今日までのあらゆる社会の歴史は階級闘争の歴史である」という有名な句に始まるこの宣言は、階級闘争におけるプロレタリアートの役割を明らかにしたマルクス主義の基本文献。マルクス(1818‐83)とエンゲルス(1820‐95)が1847年に起草、翌年の二月革命直前に発表以来、あらゆるプロレタリア運動の指針となった歴史的文書である。
目次
第1章 ブルジョアとプロレタリア
第2章 プロレタリアと共産主義者
第3章 社会主義的および共産主義的文献(反動的社会主義;保守的社会主義またはブルジョア社会主義;批判的・空想的社会主義および共産主義)
第4章 種々の反対党に対する共産主義者の立場
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジェンダー
56
短くてまとまっているような気がします。この理論を1800年代に考え出されていたのがすごいです。特にこんな時代に良く書けてた物だと思う。まさに命懸けだったのだと思う。今の次第を予見していたような1冊。今働いて行く中で不思議に思う事があればこの1冊だけでも納得出来ると思います。初めのいろんな翻訳本の出る経緯がちょっと長いような気はしないではないけれどその時代を知るにはちょうど良いと思います。何回も読んでみたいと思います。2014/10/07
Y2K☮
50
発刊は1848年。1870~1914年の西欧はイギリスを中心としたグローバル貿易の時代で、そこから派生する富の著しい不均衡や中産階級の貧困層への転落を予言。結果的に現代の新自由主義批判にも繋がる。「労働の不快さが増すにつれて賃金は下がる」「法律、道徳、宗教の背後にブルジョワの利益が隠れている」など鋭い見識の数々。他にも民主主義を重んじる表現が出てきたりプロレタリアの知的成熟を促していたり。著者の思い描く共産主義は武力革命こそ伴うがスターリン的な独裁政権ではなかったのかも。最も誤解されている知識人の一人か。2017/03/13
パトラッシュ
45
人は民族と階層と宗教を問わず金欲と物欲と権力欲にまみれた俗物であり、他者を支配し名誉と栄光を渇望する利己主義者だ。そんな人間に現実社会の矛盾を暴力革命で解放する理想を訴えた本書は、強烈な毒薬として浸透した。旧ソ連や中国などを見ればわかるが、権力を掌握した共産党を名乗る自称プロレタリアートたちは理想社会実現へのプロセスと称して強制収容所と秘密警察による恐怖支配で自分たちの欲望を満たすことしか考えなくなる。人は理性と正義に生きられるという前提で革命を呼びかけたマルクス主義の思想は失敗を運命づけられていたのだ。2020/03/13
ビイーン
36
世界に大きな影響を与えた名著。日本では第2次世界大戦が終結するまで禁書だったという。「今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である」「万国のプロレタリア団結せよ」威勢がいい名言から当時の厳しい社会を変えたいという情熱が伝わってくる。本書は既に政治的な役割を終えたかもしれないが今の資本主義社会の欠陥を考えるための古典名著として度々読みたいと思う。2019/01/08
シュラフ
32
かの有名なる『共産党宣言』をはじめて手にとって読む。現代に通じる部分があり少し驚いた。世の中は支配階級(ブルジョア階級)と非支配階級(プロレタリア階級)から成る。非支配階級たる労働者は生産手段を奪われた結果、単純労働に従事することとなり生活維持に必要な賃金のみしか支払われず貧しいまま。支配階級たる資本家のひとり勝ちである。現代はどうだろうか。資本家に代わって"法人"というものが幅をきかせている。利益は内部留保に貯め込むばかりで賃金にまわそうとせず我々は貧しい。"法人"という化け物に搾取されているようだ。2016/03/19