出版社内容情報
アメリカの独立,それは市民革命の時代の到来を告げるシグナルでもあった.『コモン・センス』は,小冊子ながら,これに与って力あった歴史的なパンフレットであり,『資本論』や『種の起原』等と並んで“世界を変えた書物”の一つに数えられている.他にこれと関連する「厳粛な思い」,「対話」,「アメリカの危機」の三編を併収.
内容説明
アメリカの独立を「理」と「利」の両面から大胆かつ鋭く論じたトーマス・ペイン(1737‐1809)の『コモン・センス』(1776)は、刊行されるや空前のベストセラーとなり、その半年後に発表された「独立宣言」の内容に多大な影響を与えた。歴史を動かしたまれな書物の一つと評価されている思想史の古典。「厳粛な思い」「対話」「アメリカの危機」を併収。
目次
コモン・センス(はしがき;政府一般の起源と意図とについて、合わせてイギリス憲法について簡潔に意見を述べる;王政および世襲制について;アメリカの現状を考える;アメリカの現在の力について、合わせて種々な意見を述べる;付記)
厳粛な思い
対話
アメリカの危機
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
33
アメリカ史をアメリカで学ぶと、この本からの引用をおぼえさせられます。日本語で読むのは初めてなのですが、今のほうが英国史も頭に入っているので、読みやすかった。「Give me liberty, or give me death!」とか、小学生も知ってるもんなあ…。今も昔も変わらぬアメリカ精神の根っこ(ヨーロッパ出身者)を感じます。2020/09/11
壱萬弐仟縁
27
アメリカ革命の主要因(1776年)。 社会は、必要から愛情を結び積極的幸福を。 政府は、悪徳から悪行を抑え消極的幸福を増す(15頁)。 冒頭から、考えさせる。 和解と破滅とは紙一重である(56頁)。 こういう、紙一重というのは実にあるものだ。 学位まで、定職まで、幸せまで、と。 国内の平和は、正しくは国民の風習で、 純潔(傍点)であるかにかかっている(82頁)。 解説によると、ペインは貧乏で13歳にて退学。 船乗りの生活も続かない。 2014/04/22
ヒロキです
21
アメリカが何故独立しなければならないかを論理的に解説した本。こういう革命と言えば勢いや無理矢理な論理で行うイメージであるが、非常に論理的であったのは凄く意外であった。イギリスにとっては今もなお嫌な本であるくらい当時の痛い所を突かれてる非常に賢い本だと思う。その論理の中にも情熱があるのもまた良いところ2019/07/29
金吾
17
独立前のアメリカで熱狂的な支持を受けた本です。イギリス王制に対する痛烈な批判以上に印象に残ったのは神を意識した考え方であり、日本人と相容れない部分があると感じました。2020/03/16
さきん
15
アメリカの行動や思考を察するのに、大いに参考になる一冊だと思う。君主制を敵視し、独立運動の正統性を訴える内容であり、アメリカを理想な国に仕立てようとする著者の気概を感じた。2015/07/22
-
- 和書
- ショッピングの女王