出版社内容情報
たゆまぬ努力と忍耐,そして何よりも深い愛情をこめて虫を観察し,推理と実験を重ねて昆虫の本能と習性をつきとめていったファーブル(一八二三―一九一五).詩情あふれるその筆致は,数知れぬ熱烈な『昆虫記』ファンを生んできた.原書と同じく一〇分冊とし,各巻に虫名索引を付して好評を博した大型版を,このたび文庫版に縮小した.
内容説明
糞をこねて丸めた大きな団子を、逆立ちになって転がしてゆく聖たまこがねの剽軽な仕事ぶりは、じつに愉快だ。だがいったいこの団子は何なのだろう。古代エジプトの昔から人々の頭をひねらせてきた団子作りの謎を、いまファーブル先生四十年来の観察が明かす。
目次
聖たまこがね―梨玉
大頸たまこがね―くろひらたこがね
イスパニアだいこくこがね―産卵
くろまるこがね、きあしつのこがね
せんちこがね―一般衛生
蝉―地下の穴からどうして出てくるか
かまきり―猟
くしひげかまきり〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デントシロー
1
改めて読んで理解する難しさを痛感した。学術的な昆虫の名前やいろいろな説明に対するフランス独特の言い回しがそのまま翻訳されているのでさらに難解となっている。特にファーブルは皮肉を込めて自説と違う言い伝えや学術論文には批判的に書くので良く咀嚼して吟味しないと全く逆の意味に取ってしまう箇所が多い。翻訳の難しさであろう。しかし古典版は忠実に翻訳されているので文章に味わいがある。文学者には好まれるが大衆にはやや難解である。やっと半分を読み終えたが奥本版を先きに読んだ方がこの古典版を理解するには好都合である。2016/05/23
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