出版社内容情報
少年少女のために書かれた聖書の物語.上巻は旧約,下巻はキリストの話を中心として新約を収める.歴史家であるヴァン・ルーン(1882‐1944)は,聖書のもつ神秘的な雲を除き,現実的,合理的な方法で紹介しているので,誰でも聖書の内容全体を明瞭に把握することができる.一般に聖書から感じる複雑で退屈であいまいなものがここにはまったく見られない.挿絵=ヴァン・ルーン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あくび虫
3
なんて身もふたもない話……‼︎ そう感じずにはおれません。日本人が抱く「聖書」という言葉への印象と、少年少女向けという標榜からは想像できない内容です。具体的に言えば、みんな堕落して、どんどん殺される。正しく幸せに生き抜いた人は、全く出てきません。ーー思わず奥付を確認してしまう古めかしいテキストですが、不思議と読みやすい。旧字体の山も、慣れてくると風情があってステキです。なにより、作者の筆力が素晴らしい。聖書という題材を、ここまで面白く、劇的に書き上げる腕には脱帽します。2016/12/15
中村禎史
0
旧仮名遣いで字が小さくて難儀したが、面白く読めた。旧約聖書が大変長い時間をかけて現在の形になっていることが良く分かった。ユダヤ人に限らないのだろうが、戦争・虐殺などの記述が多く、正直辟易した。2011/12/18
周公たん
0
旧約聖書の物語を通史的に書いた本。旧字体で書かれているのにも関わらず本当に読みやすく、不思議とスラスラ読めた。聖書そのものを読む元気はないが、ある程度しっかり内容を知りたいという人にうってつけ。 内容に関しては、旧約はそのままユダヤ人の物語だと言える。それと併せて、なぜか現在世界で最も多くの信者を得ているエホバが元は一民族の種族神に過ぎないことを思い知らされる。信心を忘れた罰と称して大量虐殺を始めたり、領土争いでユダヤに肩入れしたりする姿は、いま我々が「神」と聞いてイメージするものとは大きく異なっている。2021/07/08
けん
0
分厚い聖書の要点を抜き出して解りやすくまとめられている。旧字体が多く読めない文字もあったが、楽しく読めた。聖書を読もうとして挫折した人におすすめ。2018/10/26
ころすけ
0
★★★☆☆2018/05/19