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岩波文庫
水と原生林のはざまで

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  • サイズ 文庫判/ページ数 187p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003381236
  • Cコード C0198

出版社内容情報

教職とオルガンを捨て,医師としてアフリカの仏領ガボンに渡り,水と原生林のあいだに初めて小さな病院を建てたのはシュヴァイツェル(一八七五‐一九六五)三七歳の時であった.妻と共に原住民の医療に従事すること四年半,第一次アフリカ滞在の記録である.全篇にあふれる人間愛は,今日なお多くの人々の共感を呼ばずにはいない.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

71
原著は1920年に書かれ、1921年に出版。つまり、奇しくも100年前の本。「アフガンで銃撃、中村哲医師が死亡」というニュースは今も鮮烈である。シュヴァイツェルは1913年37歳でフランス領アフリカへ。大学では神学と哲学を学んだ。音楽一家だったからか、さらにオルガンを学んだ。30歳の時、人間への奉仕に生涯を捧げるとして、医学を学びアフリカへ。2021/01/05

lily

37
100年前の赤道アフリカでの生き様が映像をみているかのように辿ることができる貴重な記録。負の側面が目立つが。もっと精神生活に歩み寄って根本原因を提示して欲しかった。現状は今もたいして変化はない気がする。土人にとって自然が全てで人間は無であるという真理は時間を選ばない。2019/07/02

きゃんたか

17
「わたしはお前の兄弟である。しかしお前の兄である」といった白人優位的言説からシュヴァイツァーを帝国主義のシンボルとみなす向きもあるが、懐疑の念はこの書において晴れるに違いない。食人種の存在、蓄えた財産を呑み尽くす火酒の脅威、生活のための一夫多妻、悪魔の恐怖に取り憑かれる偶像崇拝の不幸、自由で無秩序な原住民の労働観念、詐欺や盗難の横行、恐ろしい病気の数々。これらの悪の必然を認める著書の眼差しは慈愛と厳しさに満ちている。ヨーロッパの大戦と負の歴史を憂いつつ、現代文明に毒されないアフリカの善性に救いの光を見た。2016/10/08

横浜中華街2024

16
アルベルト・シュバイツァーはドイツ出身の哲学者、神学者、医者で、アフリカのガボンでの医療にその生涯を捧げノーベル平和賞を受賞した。この本は1921年に出版されたもので、第一次世界大戦勃発前後の4年半にわたるガボンでの活動記録である。意外なことに本書では現地での医療活動の詳細よりむしろ、ガボンの黒人社会の有様や彼らの生活、またそこでの白人たちの木材ビジネス、キリスト教伝道の様子などの方に多くのページを割いている。今から100年ほど前の西アフリカの奥地の様子が生き生きと伝わってくる。ぜひ新訳を出版して欲しい。2023/07/11

Greatzebra

13
中学生くらいの時から何度となく読んでいる本。最近ドイツ語でも読んでみた。また違った印象になるものだ。2021/02/17

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