出版社内容情報
人類学・古典学を志す人,ギリシア文学に親しむ人びとにとって,ギリシア宗教の知識は欠くことができない.イギリスの古典学者マレー(1866‐1957)が,原始民族の信仰形態,オリュムポス神話,ヘレニズムの時期を経てローマ皇帝ユリアヌスにいたるまでのギリシア宗教思想を明らかにした生彩に富む研究であり,ギリシア文化史一般の叙述である.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マリリン
12
学生時代に手にしたかったというのが正直な感想。記憶にある歴史だけでは理解が浅く、年表を開きながら読んだ。過去に読んだ本の中に出てきた登場人物以外にも知らない名前が多く、バック本だったっが自身でメモを取りながらじっくり読むべきだったと反省。内容は大変興味深い。2018/03/18
黒い森会長
2
1925年刊。「サトゥルニア・レグナ」「オリンポス神の勝利」「前四世紀の大学派」「神経の欠陥」「最後の抗議」(サルスティウス、神々と世界について)5本の論文と古代の原典収録。古代ギリシア時代の人物や地名、風俗に詳しくないと読むのが辛い。だが、読み終わると、古代ギリシアと4世紀頃のローマ時代の思想風景に詳しくなる。ただ、ストア派やエピクロス派なども「宗教」として扱っているのに注意。倫理思想の本として読むと面白い。2020/11/06