出版社内容情報
詳しくいえば第1の論文は「天才.維納(ウィーン)工学及び建築技師協会講堂に於ける講演」,第2の論文は「悪――文学的表現の対象としての.維納文学同好会に於ける講演」であり芸術の領域における興味深い問題を取上げ心理学的および哲学的解説を施したものである.深く芸術的鑑賞と創作過程との本質に迫るブレンターノ(1838‐1917)の洞察は注目に値する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
8
旧字体。仏自然科学者ビュフォンは、「天才とは忍耐をする優れた能力の謂に他ならぬ」(15頁)。天才といえども、耐えてこそ独創が生まれるのであろう。「天才は敢然(略)制限を踰越して屡々目的への新らしき路を提示し、假令この新路が伝来の慣習に甚しく悖らうが或はこれ迄踏み慣された坦路(平らな路:広辞苑)と扞格(互いに相容れぬ:広辞苑)しようが一向に顧みないのである」(意味は引用者加筆23頁)。天才の独自なやり方は尊重する。批判は当たらないということである。喜劇は自由に気軽にする。悲劇は感動させ威圧する(71頁)と。2013/12/16
奥吹山田
1
現象学で有名なフッサールにも影響を与えたブレンターノの講演の翻訳。初めての哲学書だったが戦前初版のため旧字旧仮名や難しい熟語が頻出するので想像以上に時間がかかった。再読必須。芸術における天才と悪に関する講演なので、ある程度悲劇喜劇の古典を読んだ後再読予定。絵描きや物書きの作者は一度読んでみてはいかがだろうか。2018/03/17
竜崎
0
戦前に出版された本。芸術家における天才と文学における悪を述べている。2011/06/01
harukaeru
0
読むのがむずい。何を言っているのか読み解くのが困難なのでよくわからなかったが、なんとなくかっこよかったと思う。2023/09/23