出版社内容情報
教育とは直接的な経験から出発し,これを絶え間なく再構成・拡大深化してゆく過程である.従って,それは子供や学校の問題にとどまらない.とすれば民主主義社会における教育とは何か.教育に関する在来の学説をこの観点から根本的に洗い直し,デューイ自身の考え方を全面的に展開し世界の教育界の流れを変えた二十世紀の古典.
内容説明
教育とは直接的な経験から出発し、これを絶え間なく再構成・拡大深化してゆく過程である。従って、それは子どもや学校の問題にとどまらない。とすれば民主主義社会における教育とは何か。教育に関する在来の学説をこの観点から根本的に洗い直し、デューイ自身の考え方を全面的に展開し世界の教育界の流れを変えた20世紀の古典。
目次
生命に必要なものとしての教育
社会の機能としての教育
指導としての教育
成長としての教育
準備、開発、形式陶冶
保守および進歩としての教育
教育に関する民主的な考え
教育の諸目的
目的としての自然的発達と社会的に有為な能力
興味と訓練
経験と思考
教育における思考
教授法の本質
教材の本質
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
86
自分にとってかなり難解で一読しただけではどれだけ理解できたのか疑わしいのだが、アメリカ型の哲学〝pragmatism(プラグマティズム)”実用主義・実際主義などと訳される。イギリスの経験主義と現実主義を足して2で割り、アメリカナイズされた哲学。そのプラグマティズム哲学を教育の分野に取り入れ、児童一人ひとりの尊厳を貴重として、それぞれの児童に適した教育をされるべきであると主張している。いわば一種の理想主義的であり、よってデューイに哲学を〝教育における進歩主義”といわれる。2016/05/01
マエダ
65
本書は民主的社会の諸理念を見出し、それらを教育という事業の問題に応用しようとした一つの努力の表明であると言う。細分化されたデューイの教育論は読むたびに発見がある2018/08/02
りょうみや
19
教育哲学の古典。原書は100年前の出版だけど内容は未だに最先端だと思える。生物学、社会心理学、進化論がベースになっている哲学でそれが現代でも通用している。タイトルにもある「民主主義」「教育」や「哲学」「思考」「自由」「道徳」など様々な根本的概念を語っているのだけど、その概念の整理が卓越している。一つ一つの文は古典にしては比較的平易なのだけど、理解まで結びつけるのは私にとってはかなり難解で、下巻と合わせて読むのに数ヶ月かかった。2020/05/10
isao_key
8
ジョン・デューイが1916年に発表した本書の序に「民主的社会にこめられている諸理念を見出し、明示し、それらを教育という事業の諸問題に応用しようとした」と書かれている。内容は教育が核となっているが、教育を通して多岐に亘るテーマが設けられ論じられている。内容は硬めで決して読みやすい本ではないが、所々に鋭い批評が見られる。「教育にとって、遺伝が意味するものは、個人が最初からもっている天賦の素質に他ならない」「教養とは少なくとも、育成されたもの、成熟したものを意味する。つまり、生のものや、未熟なものに対立する」2016/12/13
sk
3
かなり観念的で久しぶりに哲学を読んだ気がする。2023/08/18