出版社内容情報
第1篇「告白者並びに文士としてのダヴィット・シュトラウス」においては,えせ文化人あるいは教養ある俗人の典型としてのシュトラウスを俎上にあげ,第2篇「人生にとっての歴史の利弊」においては,単なる学問としての歴史科学の反文化性を明らかにしつつ,「文化」とは何かという根本的な問いに答える.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
12
もし読む前から人生を変えられていた本などというものがあるなら、自分にとってはこれらしい。最近の自分の問題意識の実はニーチェの亜流であった。といっても、第二篇や他の著作には接していたから、無意識のうちに彼のことがどこかに引っかかっていた。ニーチェというのは飲み下して自分のものにしてしまえるような思想家ではない。自分のように民主主義に賭けようと思ってる人間には、そのまま受容できない。だが、簡単に手で払い除けることもできない。あっちに同化されないようにしながら、こっちに同化しないとならない。そういう存在である。2021/05/06