出版社内容情報
晩年のニーチェ(一八四四―一九〇〇)がその根本思想を体系的に展開した第一歩というべき著作.有名な「神は死んだ」という言葉で表わされたニヒリズムの確認からはじめて,さらにニーチェは,神による価値づけ・目的づけを剥ぎとられた在るがままの人間存在はその意味を何によって見出すべきかと問い,それに答えようとする.
内容説明
ニーチェ思想の核心をなす「永遠回帰」がついにツァラトゥストラの口を通して語られる。やがては神の国に救われることを夢みて安逸をむさぼる卑小な人間たち。嘔き気をもよおしながらも、そういう人間たちに生の真の意味をつきつけずにはいられぬニーチェの使命感が、芸術的感動をともなってわれわれの魂をゆさぶるのである。
目次
第3部(旅びと;幻影と謎;来ては困る幸福;日の出前;小さくする美徳 ほか)
第4部(最終部)(蜜の供え物;悲鳴;王たちとの対話;蛭;魔術師 ほか)