岩波文庫
モーツァルトの手紙 〈下〉 - その生涯のロマン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 249,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003350423
  • NDC分類 762.346
  • Cコード C0173

出版社内容情報

モーツァルトの手紙には深遠な芸術論や人生に関する哲学的な省察が述べられているわけではない.その大部分は身辺雑事の報告である.少年時代から死の直前までを年代順に選び配列した二一四通は,天才芸術家もまたわれわれと同じ弱さを持った人間だったことを語る.故にかえってその音楽は一層懐しくまた崇高に響いてくるのだ.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

月讀命

52
文学的に秀でた作品でもなければ、学術的なものでもないし、思想哲学が語られている著作でもない。この本に書かれているのは、彼が、彼の両親や友人へ宛てた200通余りの手紙だけである。他愛のない日常が、只々綴られているだけの本である。しかし1通1通の手紙、つまり1日1日の日常が積み重なって、偉大な人生を完成させる。彼の35年間の波乱万丈な生き様を感じさせてくれる本である。彼は700曲余りの音楽と、200通余の手紙を残し、そして人類に偉大な遺産を残したといっても過言ではないだろう。・一寸、格好つけすぎな感想でした。2013/09/15

よみこ

13
深まっていく父親との間の溝、その死後に疎遠となる姉との関係、それに反して向けられる妻への献身と深い愛情(特に手紙178と5項目のお願い)。亡くなる数年前からは特に金の工面に苦労し、移り気な聴衆を相手に音楽活動を続けるが、決して腐ることなく、純粋で希望を失わない美しい魂を持ち続けた。真の偉人、モーツァルト。神がかり的に明るく屈託ない楽曲の多くにつきまとう切なさの理由が分かったかもしれない。その一抹の暗さに私は惹きつけられるのだ。2019/06/01

らい

7
栄華と窮乏など、映画アマデウスで観たモーツァルトと重なるところが多かった。プーホベルクに何度も金をせがむところは、気性や環境はは違うけど、テオに送金をせまりつづけるゴッホを思い出した。どんな状況に置かれても、常に第一には創作の意欲があり、誰よりもそれが価値のある作品になることを確信している天才ぶりが共通してるのかなあ。結局、時代が作品に追いつくのは後世になるわけだけど。それでも全篇を通しての明るい基調が、なんかモーツァルトっぽくて良かった。2020/10/21

かしこ

1
お父さんが亡くなり、借金を頼む手紙ばかりになりかわいそうなモーツァルト。 妻コンスタンツェへの手紙にはそこまで面白みがないんだよな… お父さんへの手紙には尊敬と愛情と、お説教うるさいな…という思いが現れて率直に気持ちが伝わったのに。 ベーズレに送ったようなうんこうんこした手紙が妻宛のがあったとしても処分されたのかな2020/05/01

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