岩波文庫<br> 歴史序説〈1〉

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岩波文庫
歴史序説〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 514p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003348116
  • NDC分類 201.1
  • Cコード C0120

出版社内容情報

真の歴史叙述のためにはまず文明の本質を把握しなければならない.本書は,大著『歴史』のうち歴史学の方法論と人間社会の分析結果を示した“序説”部分.今日の歴史哲学・社会学・経済学などにわたる浩瀚な書.(全4冊)

内容説明

乱世の十四世紀北アフリカにあって波瀾の人生を送った著者(一三三二‐一四〇六)は、人間社会や文明の本質をふまえた歴史叙述の必要を痛感し、「文明の学問」を創始した。本書は大著『歴史』の序説部分に当り、歴史哲学・社会学・経済学などにわたる人間社会論(全四冊)。

目次

第1部 人間の文明の本質について 田舎や砂漠と都会、支配権の獲得、所得・生計・学問・技術など、文明に現われるあらゆる現象、その理由と原因(人類の文明について その一般論と諸前提;田舎や砂漠の文明 野蛮民族・諸部族およびこれらが示すさまざまな状態 その内部に横たわる定理と説明について;王朝、王権、カリフ位、政府官職およびこれらに伴うあらゆる事項、その基本的提議と補足的提議)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koning

26
現代人が現代的基準で読むとアレ?になっちゃうけれど、14世紀のアラビアの知性による長大なアラブ、ペルシャ、ベルベル人の歴史についての本の序章という何か。思いっきりスンニ派ですわー。というところがわかってハサン中田師のBlogで如何にスンニ派が纏まって〜なんてのが更新されたタイミングで読み終わるというのは何?序言的に歴史の捉え方はどうよ?という話から始まって文明と非文明であるとかある意味古代オリエントから脈々と続く価値観の延長だろうなーと思しき事が続いて、連帯意識から王権まで広がっていくあたりは面白い2015/11/10

ドウ

8
何故か岩波書店が頑なに再版しない世界屈指の名著の第一巻。歴史を語るための前置きに当時最先端の科学知識がふんだんに盛り込まれ(太陽は熱を持たないとか、自然科学方面がアレなのはご愛敬)、学問への畏敬の念を思い出させられる。シーア派への反論にスンナ派のアイデンティティ形成史が読み取れ、王権やそれを支える「民族」論には、現代のナショナリズム論にも通じる普遍的で鋭い考察が溢れている(民族の存在を自明視しているとか後知恵では言えるけど)。重たいけど続きが楽しみ。2020/02/23

有沢翔治@文芸同人誌配布中

7
イスラム最大の歴史家、イブン=ハルドゥーン。彼は膨大な歴史書を読んだが、玉石混交の伝聞をふるい分けずに伝え残していることに不満を覚えた。加えて、歴史から何も学び取っていないとして、王朝の勃興から衰退までの原因を探る。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51509884.html2019/12/31

AR読書記録

6
500頁以上あるこれが四分冊の一巻で、かつこれらが実にその七倍あるという『歴史』の序に過ぎないという... この時代、これより前の時代の他の記述がどうなのかは知らないけれど、歴史を、神話や物語としてでなく、実証的分析的に記述しようという意欲をびしばし感じるし、これより前になかった姿勢だとしたら、とても画期的な仕事といえるのだろうとは思います。王権論、権力論として今でもうむうむと納得しながら読んでしまうところもあるし、地理的な記述(当時の世界観)なんかは、昔らしくて興味深かったり。わりと読みやすい。2015/01/16

壱萬弐仟縁

6
「文明の発展は『協業』の形で相互に補完しあいながら生産活動を行なう人間の数に比例する」(29ページ)とハルドゥーンは考えた。協力しなければ文明は発展しない。当たり前だが、未開もあるわけで、未開だから悪いというわけでもないが、一定の文明は必要なのか。ただ原発事故まではやり過ぎた結果だが。史学は洞察力と実証性(35ページ)。史学の陥屏は民族や種族が変化することを忘却すること(93ページ)。動態的史学が重要か。ハルドゥーンの場合の田舎とは砂漠や遊牧民などというのは風土に影響されるゆえん(319ページ)であろう。2013/01/05

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