岩波文庫
崇高なる者―19世紀パリ民衆生活誌

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  • サイズ 文庫判/ページ数 366p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003345719
  • NDC分類 361.85
  • Cコード C0136

出版社内容情報

十九世紀半ばのパリ.居酒屋にたむろする労働者たちの間で,自らを「神のお気にいり,それは崇高な(シュブリム)労働者」と称する歌が流行っていた.彼らを「ル・シュブリム」と名づけた著者(一八三二―一九〇五)は,飲酒癖の程度や仕事の勤勉度により労働者を分類,その日常生活を活写した.ゾラ『居酒屋』の下敷にもなった貴重な史料.

内容説明

十九世紀半ばのパリ。居酒屋にたむろする労働者たちの間で,自らを「神のお気に入り、それは崇高な(シュブリム)労働者」と称する歌が流行っていた。彼らを「ル・シュブリム」と名づけた著者(1832‐1905)は、飲酒癖の程度や仕事の勤勉度によって労働者を八つに分類し、その日常生活を活写した。ゾラ『居酒屋』の下敷にもなった貴重な史料。

目次

「真の労働者」
「労働者」
「混成の労働者」
「単純なシュブリム」
「前科ある、また没落したシュブリム」
「真のシュブリム」
「神の子」
「シュブリムの中のシュブリム」
シュブリムの雇用主
「グロス・キュロット」
機械工有名人一覧
居酒屋と安宿屋
セナの会議
酔いどれのたまり場訪問
労働者の妻
シュブリムの策略
シュブリムの歌い手
失業
比較表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

9
1870年初出。社会問題を解決するには、社会単位、知性・徳性・能力ある人間、教育・教養また市民の権利と義務の適応能力ある人間が必要(29頁)。読書会もそうした人財づくりに一役買ってみたい。労働者の生活信条は、誠実と労働(47頁)。社会問題は権利と公正を尊重し、人を幸せにする最大量の決定(49頁)。問題を解決すれば幸せが増えるという発想か。社会は自然と法で結合された人間の集まり(125頁)。独身者は利己主義の寄生虫、社会の問題児(266頁)。すんません。過剰生産も失業をもたらす(311頁)。ゴミと化す。2013/09/07

うずまき

1
結論。風俗描写としてだけ読むと結構面白い。しかしこれは、雇用主にとって都合の良い労働者は素晴らしく、都合が悪いとこき下ろす、そういう主張と解釈してかまわないわけ?と思いながら読んでいたら、あとがきでその辺の指摘はしてあった。ま、ね。19世紀だもの。現代の尺度で考えてもしゃーないけどな。2011/02/28

オペラ座のカニ人

0
マリーアントワネットの時代あたりに一般庶民はどんな生活をしていたのか。それが知りたくて読み始めた。遠い昔であるが今に通じるところがある。難しい本であった。今後もこの時代のフランスパリの生活はどんな風であったのか。。フランス革命とはどんなものであったのかそれに関する本を読んでいきたい。2021/06/29

中村禎史

0
19世紀半ば、ナポレオン3世の治世の末期のパリの労働者の実態を描く同時代史料。自身が元労働者でその後経営者となった人物が書いたもの。作者が観察した労働者をタイプ別に分けて、経営者はどう接するべきかを語る。 週の半分しか働かず、居酒屋に入りびたりの労働者が結構な割合でいたらしい。いわゆる工業化(産業革命)が進行する時代で、職場は相対的には多かったのだろうけど、月曜の朝から職場の仲間と飲みに行くと言うのがすさまじい。1870年頃のパリの下町を想像して面白かった。2021/04/16

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