出版社内容情報
カエサル(前一〇二頃―前四四)率いるローマ軍のガリア(今のフランス)遠征の記録.現地から彼が送る戦闘の記録はローマ全市を熱狂のるつぼに化したという.七年にわたる激闘を描いたこの書物こそ,文筆家カエサルの名を不朽にし,モンテーニュをして「最も明晰な,最も雄弁な,最も真摯な歴史家」と賞讃せしめたものである.
内容説明
カエサル(前102頃‐前44)の率いるローマ軍のガリア(今のフランス)遠征の記録。現地から彼が送る戦闘の記録はローマ全市を熱狂のるつぼに化したという。7年にわたる激闘を描いたこの書物こそ、文筆家カエサルの名を不朽にし、モンテーニュをして「最も明晰な、最も雄弁な、最も真摯な歴史家」と賞讃せしめたものである。
目次
第1巻 紀元前五八年(ヘルウェティー族との戦争;ゲルマーニー人との戦争)
第2巻 紀元前五七年(ベルガエ人との戦争;海辺諸族の服属)
第3巻 紀元前五七‐五六年(アルペース諸族の討伐;海辺諸族との戦争 ほか)
第4巻 紀元前五五年(ゲルマーニー人との戦争;ブリタンニー人との戦争 ほか)
第5巻 紀元前五四年(ブリタンニー人との戦争;北方諸族の謀叛)
第6巻 紀元前五三年(北方諸族の討伐;ガリアの事情 ほか)
第7巻 紀元前五二年(ガリー人全部との戦争)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gotoran
83
カエサル(J.シーザー)率いるローマ軍のガリア(現仏)遠征の7年に亘る奮戦記。巻頭の当時の地図・ガリア人部族分布図が理解の手助けとなった。また巻末の地名・人名索引も有難かった。兵力集中と迅速な行軍で各個撃破、巧妙な心理戦、独自発想からの築城技術等、用兵巧者であったカエサルの手腕が光る。さらに敵のゲルマーニー人やガリア人の諸部族の風習、宗教、政治や作戦などについても詳しく記述されている。人名、部族名の多さに悩ませれたものの、面白く読むことができた。機会を作って塩野七生作品にも手を出してみたい。2016/03/14
Koning
62
Gallia est omnis divisa in partes tres, quarum unam incolunt Belgae, allan Aquitani, tertiam qui ipsorum Lingua Celtae, nostra Gallia appellantur.で始まるガイウス•ユリウス•カエサルの名著。巻頭解説はどの写本の系統なのか?が出てくるので、古代の書物を今に伝える事の大変さを感じられると思う。ラテン語原文はPerseus,ライブラリで誰でも見ることができる。2023/11/07
Tadashi_N
38
戦い続けるカエサルの、淡々とした記録。古風だが簡潔な文章。2018/09/06
U
37
本作が、あくまで客観的な視点での、できごとの羅列や民族の観察記録であることは、予備知識としてもっていたけれど、個人的にはもうすこし、カエサルの感情が吐露される内容を期待していたので、ちょっぴり残念でした。『ローマ人の物語』ガリア戦役の巻といっしょによむと、とっつきやすく楽しめそうな気がします。外側の状況に左右されず、淡々と記録をのこしたカエサルの精神力は、まさに超人なみで、その点はほんとうすごいと思いました。2017/01/03
ビイーン
35
紀元前に書かれた古代ローマの書物とは思えない程、文章は簡潔で分かりやすく客観的に書かれていた。面白い。世界史は興味が尽きない。2017/05/30