出版社内容情報
文学的な表現を重んじた雪竇重顕の『頌古百則』に,その読み方を教示する圜悟克勤の「垂示」「著語」「評唱」を加えた本書は,徹底して文字言語にこだわる「文字禅」の究極の姿である.俗語表現に意を用い,大胆な工夫を凝らした本文庫版により,『碧巌録』が伝統の枠から解放され,第一級の思想,文学の書として現代に蘇る.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
20
此の六識、教家(きょうけ)立てて正本(もとい)と為す(80頁評唱)。注によると、禅家に対して、講論講経を事とする学問僧(83頁)。古人の一機一境は一句一言は渾金璞玉(こんきんはくぎょく)なるを(102頁)。注によると、精錬していない金と磨いていない宝玉(103頁)。末木文美士氏によると、内容が難しいと同時に、当時の俗語をふんだんに使った言葉自体が極めて難解。広く読まれている(297頁)ともいうが、私は現代語訳をつけないと普及しないと思う。 2015/10/05
roughfractus02
13
禅師に「どこから来たか?」と問われたら僧は具体的に答えてはならず、僧に「禅の究極とは?」と問われた禅師が抽象的な答えを返さないような一瞬の問答に、本書は因縁からの解放に向けた厳密なルールを読者に示す。その際伝える言葉自体が分別を作るゆえに、因縁と分別で作られた日常の中で本来の無分別智に出合わせようとする禅は、矛盾を作り、「である」と「でない」を同一と見做す(即非の論理)。自他を作る分別を流動化する試みは、僧が禅師を打つと禅師が褒めたり、頌での批判が称賛と解される場面にも示される(第71-100則を収録)。2023/05/07
CCC
3
最後まで目を通したがこれは現代語訳してくれないと分からない。2015/02/08
天使
0
良書。2022/08/14