出版社内容情報
『碧巌集』ともいう.北宋初期の僧雪竇重顕が古来の禅録の中から公案百則を選び,韻文のコメント(頌)を付した『雪竇頌古』に,北宋晩期の圜悟克勤が解説・論評を加えたもの.「宗門第一の書」といわれる禅の教本で,日本の禅に測り知れない影響を与えた.訳注者四氏の綿密な討議を経て成った,唐・宋の口語に即した周到な新釈.
感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
19
病を瘥(いや)すには驢駞(ろだ)の薬を仮らず(67頁)。注によると、病気を治すのに驢馬の背に満載するほど多量の薬は必要ない(68頁)。曾て客と作(な)るに慣れて方(はじ)めて客を憐む(107頁)。注によると、しばしば旅で苦労したからこそ旅人の心がわかる(108頁5)。 2015/10/05
roughfractus02
12
どこから来たのか?と禅師に問われたら、来た場所を言ってはならない。問いと答えの「因縁」から解放されているか否かが問われている。借事問は既に挨拶から禅問答が始まっていることを緊張感と共に伝える。知覚世界は世界自体ではなく人の妄想であると断ずる大乗の考えを言語や仕草にまで徹底する禅は、意識的な思考習慣の外に出ようとする。南泉が円相を道に描くと帰宗が円内に坐り麻谷が拝むのは、円内や中心に注意が向く人の性向を封じ、円外を指し示すからだ。南泉はそれを見て慧忠国師に教えを請いに行く3人旅をやめる(31-70則収録)。2023/05/06
天使
0
良書。2022/08/14