出版社内容情報
老中田沼意次が賄賂政治を行った腐敗時代.これが世間にまたアカデミズムに通用していた常識であった.だが著者は,一九一五年早くも,時代の趨勢が一政治家によって変るものではないといい,この時期に民権が発達し因習が否定され開国思想が培われたと指摘する.戦後,近世史研究の起点ともなった書. (解説 佐々木潤之介)
内容説明
老中田沼意次が賄賂政治を行った腐敗時代。これが世間に、またアカデミズムに通用していた田沼時代に対する常識であった。だが著者(1877‐1955)は、1915年、早くも、時代の趨勢が一政治家によって変るものではないといい、この時期に民権が発達し因習が否定され開国思想が培われたと指摘する。戦後、近世史研究の起点ともなった書。
目次
意次の専権
役人の不正
士風の廃頽
風俗の淫靡
天変地妖
百姓町人の騒動
財政窮迫と貨幣の新鋳
開発 座 運上
田沼の没落
新気運の潮流
蘭学の発達と開国思想ならびに貿易政策
結論