出版社内容情報
安土・桃山期,つぎつぎに外国人宣教師が来日して積極的な布教活動を行った.表題の「どちりなきりしたん」とは“キリスト教の教義”の意で,問答形式による教理書である.万人に教えを説くために平易な俗文体が用いられており,当時の南蛮文化の興隆を伝えるのみならず,国語資料としても価値が高い.慶長五年(一六〇〇)の印刷.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にゃん吉
4
1600年に刊行された、日本人向けのキリスト教の教義の解説書。師弟の問答体で、キリスト教の教義の要諦が平易に述べられています。読んでいるうちに、数百年前に、こういった調子で、本邦の人々が宣教師に、本邦の習俗や 仏教のイメージを念頭に、キリスト教に対する素朴な疑問をぶつけ、宣教師が丁寧に教義を説くという布教の様が想像されて、何だか感慨深くありました。 2023/06/26
OKKO (o▽n)v 終活中
4
すいません、あっという間に挫折です……要するにわたくしに必要なのは『どちりいな・きりしたん』という印刷物があったということ、そしてその表紙や中身の「かたち」がどんなものであったかを知ることのみでありまして、岩波文庫で教父と信者の問答の内容を細かく読むことにはおそらく何の意味もないという……百歩譲って意味があったとしても、それは「今じゃない」……そんなことはずっと前からわかっていたんですけど、古書店マジックにやられました……ごめんねどちりなきりしたん……2017/08/25
もちもち
1
思ったより読みやすく、平易な文体で書かれていてよかった。現代の入門書に、ここまで簡潔にわかりやすく教会生活を明示してくれるものがあるのかしら…もちろんあるのだろうけれど笑、わたしにとっても大切な信仰の手引きになりました。これが、1600年に日本にあったのかあ…教えの普遍性に"Catholic"の意味を感じます。2017/09/28