岩波文庫
フィンランド叙事詩 カレワラ〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 480p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003274521
  • NDC分類 993.61
  • Cコード C0198

出版社内容情報

フィンランド各地で,カンテレ(竪琴)に乗せて歌い継がれてきた一大民族叙事詩カレワラ.19世紀初頭,ヨーロッパを覆った民族主義的気運のなかで,リョンロットにより採集・編纂された原典版からの,平明な口語による完訳である.本文中いたるところに豊富な暗喩がちりばめられ,晴朗な想像力の展開がみられる.

内容説明

鍛冶のイルマリネンは、婚礼の儀式を全て終えて花嫁を伴って帰還した。一方、婚礼の宴に招かれなかったむら気のレンミンカイネンは憤り、復讐を決意し、死の危険が待つポホヨラへと向かう。イルマリネンの妻の死を契機に、カレワラは、クライマックスのサンポ(ポホヨラの秘宝、天の柱の象徴)奪回へと一気に展開する。

目次

帰還の祝い ワイナミョイネン二回目のトゥオネラ訪問
レンミンカイネンのポホヨラ婚礼旅行
決闘 ポホヨラの主人の死
レンミンカイネンの逃走(1)
レンミンカイネンの逃走(2) 母の隠れ家
レンミンカイネンとティエラ
ウンタモとカレルボ ウンタモラでのクッレルボ
牧童クッレルボ
クッレルボの呪い イルマリネンの妻の死
クッレルボの放浪無宿 クッレルボの帰郷〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koning

32
下巻はかのクッレルボ辺りが入ってるのでシベリウスを聴く人は歌詞のフィンランド語が何を謳って居るかしっかり心に焼き付けましょう(え2018/01/24

おMP夫人

8
フィンランドの歴史を考えると、よくここまで古い伝承が残っていたものだと感心します。この叙事詩がロシアから独立するその気運が高まった時期にまとめられ、人々の支えになったという経緯は、アジアの一国として独り立ちすべく記紀を編纂した日本にやや近いものを感じます。やはり独自の歴史や文化は、民族の心の拠り所なのでしょう。神話的ですが、カレワラにおいて明確に神と呼べる存在はウッコくらいで、人間のようであり、妖精にも思える不思議なキャラクター達が行き交う世界観。フィンランドという国の空気に、少しだけ触れた気がします。 2012/08/27

がんもどき

6
グツの骨で竪琴を作りかき鳴らし、隠された太陽と月を取り戻し、魔法の碾き臼サンポを取り戻したと思ったら粉々に壊されといろいろな冒険をしたのちマリエッタ(聖母マリア)の到来でどこかへ去ってしまうという魔法使いワイナミョイネンの冒険譚。つくづく女運のない主人公でもあった。フィンランドの人はこういうお話を聞いて育ったんだなと。2022/09/30

ma_non_troppo

3
フィンランドが生んだ世界的作曲家シベリウス(1865-1957)は、「カレワラ」に触発された作品を数多く残している。多くは交響詩だが、その中でも「クッレルヴォ」は、彼の残した7曲の交響曲にも遜色のない作品だと思う。この交響詩の題名にもなっているクッレルヴォは、「カレワラ」第31-36章に登場する。ハムレットさながら復讐に身をやつし、そして破滅する男。彼が自害したのちに不滅の賢者が告げた言葉は印象的だったけど、不幸は永遠に止まない。あとには大きな熱が残る。その熱は辺りを焼き尽くすが、何かを生み出しもする。2011/05/27

アイスディール

2
イルマリネンが不憫にみえて仕方がない。2011/02/24

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