岩波文庫<br> シベリア民話集

岩波文庫
シベリア民話集

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 343p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003264416
  • NDC分類 388.291
  • Cコード C0198

出版社内容情報

多くの少数民族が伝統的生活様式を守って居住するシベリアは,口承文芸の一大宝庫である.海陸の様々な動物や魔物,シャーマンが活躍する物語をはじめ,動物女房の話や天界と地界の交流譚,雄大な創世神話など,シベリアの民話は素朴な語りのなかに人間の創造力の豊かさを感じさせる.一七民族・四一話を収録.わが国初の本格的紹介.

内容説明

多くの少数民族が伝統的生活様式を守って居住するシベリアは、口承文芸の一大宝庫である。海陸の様々な動物や魔物、シャーマンが活躍する物語をはじめ、動物女房の話や天界と地界の交流譚、雄大な創世神話など、シベリアの民話は素朴な語りのなかに人間の創造力の豊かさを感じさせる。17民族・41話を収録。わが国初の本格的紹介。

目次

アジア・エスキモー(ふしぎな手太鼓 ほか)
チュクチャ(狼とワタリガラス ほか)
ケレク(兎のミルトカリク;クッキ)
コリャーク(アゴヒゲアザラシの脂をとりにいったクイクィンニャク ほか)
イテリメン(卵から生まれた娘たち ほか)
ニヴフ(海の主の嫁になった娘 ほか)
エヴェンキ(トルガネイとアルタネイと妹のネレンチク ほか)
エヴェン(じいちゃんと角のスプーン ほか)〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bo-he-mian

17
読み始めたばかりなのだが、個人的にあまりにも面白いので感想書いちゃう(笑)。エスキモー(死語)などの北方の先住民族の口承物語をロシア人(政犯などで流刑された人々)が採集した本。それぞれのお話はすごく短くてショートショートの趣だが、ストーリーテリングのテクニックの見本市と化した現代小説がどこかに忘却しまった、荒々しく素朴で、猥雑で残酷で幻想的でとにかく豊穣なものがたりに胸がワクワク。オーロラの光から生まれた少年が再びオーロラへと還ってゆく、たった3ページの物語に、こんなにも心がときめく。2019/08/04

maja

16
さまざまな民族で語り継がれてきたシベリア民話集。シベリアに流刑になった政治犯たちが、生活様式や言語も異なる民族を訪ね歩いて丹念に資料収集活動をしてきたそうだ。海で遭難した男が自分の女房の胎内に宿り、もとの男となって生まれてくる話に魅かれる。美しく寂しい天界の話。湖の主が兄弟に加勢する話。何気に怖いかもめの話。妖婆と熊と狼の話は怪しい迫力のスズキコージの絵を連想する。連れて帰られる度に食べられてやせるので、もう家に行くのはやめだと言うカラフトマスの女房が可愛い。 2019/10/15

エムパンダ

10
1988年刊行。シベリアの17民族・41話の口承文芸を収録。シベリアと呼ばれる地域がとても広大で、言語を異にする多くの民族が存在することをまず初めて知った。神話や動物、お化けにまつわる話のどれもが興味深く、日本の昔話と似ているものも全く概念が違うものもあった。民話の収集と研究には政治犯流刑者の活動によるものが大きいとのこと。敬意を表したい。2021/07/01

ノベツ

8
荒唐無稽で理不尽な話を予想してたが、内容も理不尽度も日本の昔話とあまり変わらない。つるが服を脱ぐと娘になり、泳いでるすきに服を隠して結婚する話とか完全にデジャヴュ。しかし、セイウチの話とか、熊は昔人間だったとか、その土地ならではの話が楽しかった。熊の話だけ集めた本とか読んでみたい。固有名詞の響きが楽しいのも良い。また解説も教養にあふれており、神話や風習など、もっと色々知りたくなる。ワタリカラスが坂を板で滑って遊んでいる描写の解説で、熊もよくやるとの記載があり、動画で見たくてたまらなくなった。2019/08/26

sigismund

6
流刑に処された革命家たちが収集したシベリアの煌き。広大な世界で繰り広げられる冒険譚に美しいオーロラにまつわる悲しい話などシベリアの人々が自然に対しどのように対峙していたのかがうかがえる。櫛を後方に投げて魔を祓いながら逃げる呪的逃走譚や死者の食物を食べて生きて戻れなくなった男の話など、日本神話や民話に通じる話が散見される。日本文化は西から、ではなく案外北からきているのかもしれない。2017/07/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/444388
  • ご注意事項

最近チェックした商品