岩波文庫
人はすべて死す 〈上巻〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003256718
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

主人公フォスカは永遠の生命を得て,無限に理想を追及し新たな試みを繰り返すことが可能になった.ところがそれと同時に彼は自由を失い,生ける屍と化してゆく.実存主義の代表的な作家ボーヴォワール(一九〇八‐八六)が不死の男を媒体として近代史を分析し,人間の自由とは何か,また生きることの意義とは何かを問うた力作.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nightU。U*)。o○O

1
不死の男をもって、対照せられる有限の命を持った人間たち、文明、社会、営為。ここには詭弁的に見えて、見事にアイロニカルな効果を上げている一瞬の生の尊さが生きながらえる悲嘆が巧妙に練りこまれており、その綾の華麗さに引きこまれる。世界は変わるものだが、人間は学ばないものである。また不死を歴史を継続的に語るための固定された一視点として用いているガジェット的な語りも興味深い。2015/10/12

徒野

1
若く美しい女優レジーヌがホテルで見かけた不可思議な男は、不老不死の命を持つ人間だった。――と始まる、恐ろしく闇の深すぎる物語。レジーヌの自己顕示欲の強い性格は、本作のテーマにおいてかなり重要であるように思う。途中からフォスカの独白となり前半の掛け合いに見えたテンポ良い魅力は少々失われるものの、これが下巻にて見事に回収される鮮やかな布石となるからやはり闇は深い。下巻読了後に再び読み返せば、レジーヌに声を掛けられたフォスカの心の乱れがいかほどであったか思わずにはいられない。そして背筋が凍らずにもいられない。

Hiroaki Takeyama

0
難しい。最初は人物像があまりイメージできなかったが、NHKでやっていたサルトルについての番組を見て再読したら、やっと少しつかめた気がする。しかし先は長い。不老不死にしても、いつか死ぬにしても、気が遠くなる思いで読み進める。2016/03/20

meg

0
力作。すごい。2022/11/06

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