出版社内容情報
デュマは旺盛な筆力をもって生涯に小説だけでも二五七巻に及ぶ作品を書いたが,『三銃士』はなかでも世界中の人々にもっとも愛された小説である.個性豊かな四人の銃士と彼らを結ぶうらやましいまでの友情,危機にのぞんで男らしく颯爽と行動するそのさわやかさ.この若々しい男性的ロマンにはつきせぬ魅力がある.一八四四年.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絹恵
36
魅力的な男性陣の友情譚を描くと同時に、女性の強かさを魅せることで、より人と人との個性のぶつかり合いや交じり合いを楽しめました。一人一人に愛着が湧き、幕引きには切なさを感じました。特にマクベス夫人或いはメデューサよろしく惑わせるミレディーあっての男性陣だと思います。だからこそ彼女の花の芳香と滴る毒にもまた強く惹き付けられました。2017/08/14
おか
31
上巻では決闘という人殺し有り、不倫が横行し、賭け事有りで 正しく飲む打つ買うの三拍子揃い踏み^_^しかし若きダルタニャン、アトス、アラミス、ポルトスの青春真っ只中という生気溢れる日々が綴られている。下巻では ラ・ロシェルでの戦いでの活動もさることながら 終盤のミレディー夫人の悪行の数々 そして4人との攻防から全く目を離せなくなり 一気読みでした。4人の性格は明らかに違うのだが お互いにそれを しっかり理解した上で 強い絆が出来上がっている。これはロマンチックな心を持った 大人のやんちゃ坊主にもお薦め^_^2016/11/11
金吾
30
○魅力溢れる登場人物のおかげでワクワクしながら最後まで読むことが出来ました。何度か読んでいますので話の内容はわかっているのですが、時がたつと読んでしまう本です。2022/04/28
shoko
28
上巻の首飾り事件の話はあまりにも有名でよく知っていたけれど、下巻のメレディーとの事件が最後こんな風に終わること、知らなかった。三銃士の話は最初の部分のみしかこれまで知らなかったことがこんな歳になってわかるなんて。やっぱり名作と言われる作品も、大人になってから再度手に取ってみるべきですね。ダルタニャン物語全部読んでみよう。2018/11/03
加納恭史
23
やっと下巻まできた。まあ行きつ戻りつのややゆっくりした時代劇かな。アレクサンドル・デュマ(1802~70)の十九世紀の歴史文学です。当初は文学小説と言うよりも、フランスのロマン主義・歴史演劇として有名だった。この小説の主人公ダンタニャンは「ダルタニャン回顧録」からして実在の人物だった。その中にアトス、ポルトス、アラミス名前もあった。ルイ十四世の時代、武人てして活躍し、銃士隊長なり、ついに伯爵になったとか。まあ花も実もある美しい騎士道の精神の持ち主。三銃士と共にダルタナャンの性格描写も機知や才覚で見事だな。2023/01/10