岩波文庫
マノン・レスコー (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 290p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003251911
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

シュヴァリエ・デ・グリューがようやく十七歳になった時,マノンという美しい少女に会う.彼が犯した幾多の怖ろしい行為はただこの恋人の愛を捉えていたいがために他ならなかった.マノンがカナダに追放される日,彼もまたその後を追い,怖ろしい冒険の数々を経て,ついにアメリカの大草原の中に愛する女の屍を埋める.

内容説明

シュヴァリエ・デ・グリューがようやく17歳になったとき、マノンという美しい少女に会う。彼が犯した幾多の怖ろしい行為はただこの恋人の愛を捉えていたいがためであった。マノンがカナダに追放される日、彼もまたその後を追い、怖ろしい冒険の数々を経て、ついにアメリカの大草原の中に愛する女の屍を埋める。この小説はプレヴォ(1697‐1763)の自叙伝ともいわれ、18世紀を代表するフランス文学の一つ。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

116
プッチーニやマスネーのオペラの原作。美少女の娼婦マノンの魅力のとりことなった青年シュヴァリエ・デ・グリューの独白。美青年のシュヴァリエがいかにこの美少女を愛し前途洋々たる未来をすべてかなぐり捨てて一途に愛するようになったか、が心を込めて語られる。ただし、「娼婦」であるマノンに「そんな商売をやめてくれ」とは言わずにカネで買おうとするG氏を卑怯だとして喧嘩を売るような履き違え的な嫉妬心をシュヴァリエ氏が抱くのはピンと来なかった。全体的に1731年出版の名作という匂いが今一つしてこなかった。G1000。2023/12/03

NAO

81
追いかけて追いかけて、邪魔をされたら改心したふりをして、また追いかけるデ・グリュー。そこまでされたら、普通情にほだされて改心しそうなものだが、マノンもまた、驚くほどに変わらない。二人とも、あまりにも頭が空っぽで、成長がない。それは、マノンを象徴化するあまり「見かけの美しさ」だけを作者が重視してしまったからだろうか。さらに、マノンを追いまわして死に追いやっておきながら後追い自殺するわけでもないデ・グリューには女性として腹が立つ。結局、やっぱり、貴族の身勝手なお坊ちゃまなんだなあ、と。2018/08/28

夜間飛行

77
家柄、学才、容貌…などなど人に抜きん出たデ・グリューの特性が何の役にも立たない。むしろ、少女マノンの美しさに魅せられ堕落するのは人間的にまっとうな姿だと思える。ある日デ・グリューが生活に困ってマノンの兄に相談すると、マノンを使って裕福な貴族を誑かせと唆される。それを嫌だと断ると今度は君が淫蕩な夫人と姦通せよと教える。そうやって作者はモラルに揺さぶりをかけるのだ。しかし、あっけらかんと肉体に生きるマノンのような女性と愛し合ったグリューは、たとえ破滅したとしても、男として希有の体験をした事を誇ってもよかろう。2015/10/15

ヴェルナーの日記

69
小デュマの『椿姫』やジェッドの『狭き門』に登場する本作。マノンは、悪女の代表格として作品に描かれているが、果たして本当に悪女なのだろうかと、疑問に感じる。彼氏のシュヴァリエしても、自分に言わせれば、優柔不断で、マノンに対し無様なくらい未練がましいが否めない。確かにマノンは自由奔放な生き方を貫いて悲惨な最期を遂げ、シュヴァリエは失意のどん底に陥るが、これは二人が悪かったのではなく、当時のフランスが、彼らの生き方を認めることができなかったからだと思う。あえて言うならば、二人が、まだ幼かったというべきだろうか。2015/06/16

syota

35
同名のオペラ(プッチーニ作曲)は以前DVDで観たが、原作を読むのは初めて。さすがにオペラよりは、はるかに構成がしっかりしている(当たり前だけれど)。とはいえ、主役のシュヴァリエに同情の余地はあまりない。現代の基準で断罪するのはどうかとも思うが、それにしても友を裏切り金をたかるなど無責任の極み。一方、マノンの妖しい魅力は稀に見るもので、悪女というより善悪を超越して刹那的快楽のみに生きる、純粋で奔放な破滅型の女を見事に描いている。匂い立つようなマノンの魅力に酔いしれるのが正しい読み方かも。[G1000]2017/10/20

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