岩波文庫<br> ガルガンチュワ物語 〈ラブレー第1之書〉 (改版)

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岩波文庫
ガルガンチュワ物語 〈ラブレー第1之書〉 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 570p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003250211
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

フランス・ルネサンスを代表する大作家ラブレーの長篇「ガルガンチュワとパンタグリュエル物語」の第一冊.桁はずれに巨大な王ガルガンチュワの奔放自在な生涯と武勲を豪快に物語りながら,中世末期社会の権威と秩序を陽気に笑いとばす規模雄大な作品.(全五冊.第二之書以下は「パンタグリュエル物語」.)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

51
中世の民間伝説『巨人ガルガンチュワ年代記』をもとにラブレーが創作した話は、荒唐無稽の法螺話の中に、痛烈な教会批判が満ち満ちている。ただ、この時代はそもそも女性が本を読むということを設定されていないということなのか、下の話があまりにも多く、辟易した。だが、最後にガルガンチュアが創設したテレームの僧院の入所条件を示した銘文は、全編の下ネタも吹き飛んでしまうほどの厳粛さにあふれていた。ただ、この条件にあてはまる者など誰もいないのではないかともいえ、それもまた、痛烈な批判ということなのだろう。2016/12/10

壱萬弐仟縁

24
第10章白い色と青い色とは何を意味するか(70頁~)。白は歓喜、快楽、快活。青の意味は不備でわからないが、黒は悲哀だと(71頁)。第15章ガルガンチュワが他の教育家たちに託されたこと(97頁~)。家庭教師どもから書物を教えられるよりも、何も習わぬほうがましだということが判った。それは困るね。ガルガンチュワは、1日のうち1時間も無駄にしないことになったし、文芸ならびに正しい学問の探究に費やされることとなった(128頁)。2015/01/02

mstr_kk

11
随分長い間放置していましたが、初の通読です。巨人の王子ガルガンチュワが、生まれ、変な教育を受け、パリで修業し直し、自国に戻って戦争に勝ち、見事な戦後処理をし、理想の修道院を建てる、というお話。荒唐無稽なホラ話と言語遊戯と下品さが炸裂している前半には大興奮でした。まさにベケットのルーツ。そしてこの訳文は大江健三郎のルーツ。しかし、パリでの勉強によりものすごい学識を得て以降は、ガルガンチュワがお行儀良くなってしまい、武闘派のジャン修道士がハチャメチャ部分を引き継ぐものの、ちょっと物足りなくなりました。2014/10/18

roughfractus02

10
大きなものを見上げる時、大人は子供の姿勢になる。それが堂々として不動なら神になるが、子供のように動き回れば怪物になる。医者である作者は後者を穴の空いたチューブに見立て、下世話話をする口で喰らい、排便排尿のたびに尻を向けて人々を大騒ぎさせる。すると、怪物が人間に見えるから不思議だ。そうして、聖史劇的物語に古今の教養と言葉遊びがさし挟まれ、奇妙な色彩学、200超の遊戯、巨大僧院を次々放り込まれる本書が大きな穴に見えてくる読者は、母の左耳から産まれた主人公に父王が叫んだ言葉を口にするはずだ。ク・グラン・チュア!2019/09/28

8
この巻は概ねガルガンチュアの誕生と教育、ピクロコル戦争、テレームの僧院の三部。笑って読めと言い、吟味解読しろと言うが、まあ主眼は前者だろう。抑々ラブレーの意図はオヴィディウスやヴェルギリウスを預言者に祭り上げる中世の注解者達を彼らと同じ手段で愚弄することにあるから、寓意的に表れる教育論や拡大政策批判、国王論、理想郷などの詳細な理解を試みるならば、それこそラブレーに嘲笑されそうだ。むしろ大衆的に笑いつつ素直に本文を楽しむのが適切。とはいえ本筋は荒唐無稽で特別面白くもない。修道士ジャンの戯画的な大活躍が好き。2022/10/13

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