岩波文庫<br> アッタ・トロル - 夏の夜の夢

岩波文庫
アッタ・トロル - 夏の夜の夢

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  • サイズ 文庫判/ページ数 236p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003241844
  • NDC分類 941
  • Cコード C0197

出版社内容情報

恋愛詩人として有名なハイネは,またきわめて機智に富んだ諷刺作家でもあった.この作品で,ハイネは19世紀ドイツのえせ愛国者,俗流文学者等さまざまな俗物を,「アッタ・トロル」という名の熊に託して諷刺し批判する.その痛烈な社会批判の中には,真のヒューマニズムがひそむのである.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

16
1843年初出。旧字体。 挿絵もリアルで秀逸。 序で、「世の中で大切なのは律義 であって音楽ではない」(13頁) とある。下手な音楽家は律義で、 上手な音楽家は律義でないので、と。 音楽に限ったことではない。 謙虚にやる必要を教える。 動物から聞かれるのは、 「いまいましい! 人間などという この最大の貴族主義者は 横柄に威張りくさって 動物界を見くだして、(略)」 (44頁)とある。 熊が出てくるので、 ジョージ・オーウェルの 『動物農場』も想起する。  2014/05/29

てれまこし

1
宇宙を機械じかけの物質ではなく生命としてとらえるロマン主義は、俗世の塵芥にまみれた精神の解放という側面ももち、現状への反逆や抵抗の根拠も提供した。革命家はロマン主義者でもあった。ただ、ここでもルター的な生真面目さが行きすぎると、かなり陳腐な神秘主義・国粋主義に陥る。ハイネはロマン主義に関わりながらも、その反逆精神が半端ない人で、ドイツの田舎者根性を笑い飛ばす非愛国性と不真面目さが彼を国と時代を越えた人としている。異教的・民俗的なものへの関心も高くて、カゴ人という被差別民の話なんかは、今回初めて耳にした。2018/02/17

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