岩波文庫
アイヌ神謡集

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 186p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003208014
  • NDC分類 929.2
  • Cコード C0198

出版社内容情報

「銀の滴降る降るまわりに,金の滴降る降るまわりに」――詩才を惜しまれながらわずか十九歳で世を去った知里幸惠.このアイヌの一少女が,アイヌ民族のあいだで口伝えに謡い継がれてきたユーカラの中から神謡十三編を選び,ローマ字で音を起し,それに平易で洗練された日本語で訳を付して,編んだのが本書である.

内容説明

「銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに」―詩才を惜しまれながらわずか19歳で世を去った知里幸恵。このアイヌの一少女が、アイヌ民族のあいだで口伝えに謡い継がれてきたユーカラの中から神謡13篇を選び、ローマ字で音を起し、それに平易で洗練された日本語訳を付して編んだのが本書である。

目次

梟の神の自ら歌った謡「銀の滴降る降るまわりに」
狐が自ら歌った謡「トワトワト」
狐が自ら歌った謡「ハイクンテレケ ハイコシテムトリ」
兎が自ら歌った謡「サンパヤ テレケ」
谷地の魔神が自ら歌った謡「ハリツ クンナ」
小狼の神が自ら歌った謡「ホテナオ」
梟の神が自ら歌った謡「コンクワ」
海の神が自ら歌った謡「アトイカ トマトマキ クントテアシ フム フム!」
蛙が自らを歌った謡「トーロロ ハンロク ハンロク!」
小オキキリムイが自ら歌った謡「クツニサ クトンクトン」
小オキキリムイが自ら歌った謡「この砂赤い赤い」
獺が自ら歌った謡「カッパ レウレウ カッパ」
沼貝が自ら歌った謡「トヌペカ ランラン」

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

126
この本は人類の宝だ。ここに収められた神謡を読むと、心の深いところが生き生きと動き出すのを感じる。普段は意識しない神話や伝説とつながっている心の奥の部分を意識するようになる。自分の肉体に縛りつけられた心が、体の外に出て、この世界と一つになる。言葉は意味を伝えるだけではなく、音を伝える働きもある。そのことは、この本に収められた原語を読むとよく分かる。リズミカルで生き生きとして、声に出して読むと、自分の心と体が深いところから揺り動かされる。美しい日本語訳がつけられているが、原語を繰り返し読みたいと思った。2017/03/24

けんとまん1007

74
かつて、人々は神聖なるもの、すなわち自然への畏敬の念を持って暮らしていた。その流れを携えているのが、アイヌをはじめとする伝統のある物語なのだと思う。人間も自然の一部であることが当たり前のように思われていた頃と違い、今は、どうなんだろう?自然をコントロールできるような横柄な考えが蔓延する中で、そのしっぺ返しをくらっているのが、今の時代。再度、この物語の精神に戻ることが肝要ではと思う。2020/05/28

あつひめ

73
北海道と言う広大な大地と厳しい自然だからこそ伝えられていた文化の様な気がした。和訳しか読めなかったが、神に対する思いはとても清らかで強く、心に留め置かなくてはと思った。欲を出したり人をだましたりしてはならぬと様々な神からの言葉に、改めてこれからの過ごし方を考えるようになった。自分が住む土地の文化を知ることも大事なことだと感じた。2019/01/09

ちえ

55
再読。「100分de名著」でアイヌ文化や神謡について知った後に、YouTubeでアイヌ語の神謡を聴き、柔らかい響きに浸る。小声で幾つかの神謡を、サカへを挟みながら口に出してみる。「序」を読み返しかつての北海道の大地を思う。知里幸恵がもっと生きていたらどれほどの文章を残したのだろう。2022/10/15

ちえ

55
実は先月ウポポイと知里幸恵記念館に行く予定で読んでいたが緊急事態宣言で遠出を諦め読むペースダウンし途中になっていた。ところがその後図書館で見つけ読んだ川越宗一『熱源』の中で、金田一京介が知里幸恵に言及していたのだ。偶然に感謝、改めて手に取る。全てのものに神が存在すると信じるアイヌの世界。その神謡の音をローマ字で、意味を日本語で書き記した。美しい日本語の豊かな表現に和人が来る前の北海道アイヌの世界を見せられる思い。僅か二十歳で亡くなった事が残念でならないが、この1冊を残してくれたことに深く幸せを感じる。2021/06/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/536818
  • ご注意事項