岩波文庫
陸游詩選

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  • サイズ 文庫判/ページ数 413p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003204115
  • NDC分類 921.5
  • Cコード C0198

内容説明

南宋随一の詩人陸游(1125‐1209)。国土の半分を金に奪われた祖国を憂え、世に容れられぬ主戦論者として、波瀾の生涯を送る。放翁と号して不正や怯懦を歯に衣着せず批判する一方、異土の山水、故郷の風物に目を凝らし、農村の営みをこまやかに歌う。生涯に約一万首の詩を残した巨大な詩人の愛国詩・閑適詩一六七首を精選。

目次

新夏 事に感ず
七兄が揚州の帥幕に赴くを送る
望江の道中
山西の村に遊ぶ
村童の渓上に戯るを観る
楓橋に宿る
公安
滄灘
拆号の日を定め、喜びて作有り
岳池の農家〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

59
宋詩の第一人者陸游の詩集。漢詩らしい雄渾な詩情を堪能した。陸游は役人だったので、中国各地を旅しながら詩を作っていたようだ。そのため、彼の詩には時間的空間的な広がりがある。当時の社会を嘆く詩よりも、農村の風景を情感豊かに描いた詩に惹かれた。役人だからと言って出世主義者ではなく、貧しい人や恵まれない人の立場に立っていたらしく、高い地位にはつけなかったようだ。冴えない下っ端の役人として生きながら、詩作を支えに生きた人生は見事。粗食を喜ぶ詩(描写が巧みでおいしそうです)や老いた自分を笑い飛ばすユーモアも良かった。2013/10/04

零水亭

2
枯淡な詩も味わい深いもの(中晩唐とか同時代では楊万里に似たような)が多いですが、悲憤・慷慨の詩も、宋代には珍しく目立ちます。宋代の詩は悲哀を抑える風潮が強かったようですが(by吉川幸次郎『宋詩概説』)、彼は例外でしょう。江戸時代の頼山陽と似た点があるように思います。なお、山陽は杜甫、韓愈、蘇軾、陸游の4人を特に重んじていたようです。2019/07/11

suzuki-takefumi

2
原文の善し悪しは分からないが、風景を描写した詩は、なるほど俳句っぽい。一方で異民族に対して「悔しいなあ」というような、詩も多い。時代が南宋というと、水滸伝の少し後か。この後にモンゴルの元がくるのか。2013/10/27

わらのいぬ

1
?別れた妻のトラウマの詩、?田舎暮らしの詩、?夷狄を追い払う事を主張する詩、の三つがメイン。追い払われるべき中国周辺の野蛮人としては複雑な気持ちにもなるけど、微笑ましい詩も多い。八十歳になっても別れた最初の妻を夢に見たりするのが切なく、でも妙に可笑しい。2013/07/19

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