岩波文庫
杜牧詩選

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  • サイズ 文庫判/ページ数 435p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003202210
  • NDC分類 921.43
  • Cコード C0198

内容説明

「江南の春」「山行」などで人気の高い晩唐の詩人、杜牧(803‐852)。抜群の着眼力と造句力に彩られた代表作一三二首を精選。懐古・詠史以下、一二の主題に分類し、詩心の輝きを探る。長篇「阿房宮賦」「杜秋娘詩」も収録。『李白詩選』と姉妹篇をなす、漢詩ファン待望の一冊。

目次

第1章 懐古のうた―滅びしものへ
第2章 詠史のうた―歴史へのまなざし
第3章 行旅のうた―異郷に在りて
第4章 郷思のうた―ふるさとへの思い
第5章 閨のうた―女性の情愛
第6章 贈答のうた―親しき人に
第7章 飲酒のうた―酔境のかたち
第8章 閑適のうた―執われぬ心
第9章 登覧のうた―高きに登りて
第10章 離別のうた―去りゆくものに
第11章 詠物のうた―実相を求めて
第12章 書懐のうた―わが心わが思い

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

4
字の杜牧(ぼくし)は杜甫と韓愈を愛した(解説399ページ)。不遇な漂泊の境涯(405ページ)。小生に類似。「商山中の麻澗(まかん 地名)」の一節「遠く旅ゆく車に揺られながら、あわただしいわが生き方を、ひとりじっと考え続け、悲嘆にくれるまま、谷川のほとりで、沙地のうえに思いを書きなぐる」(103ページ)。他に「ああ、はかない人生は、あたかも氷の下を行く水のよう」(113ページ)。鴨長明や吉田兼好に通底。河上肇が漢詩に打ち込んだのも頷ける。「人の命は、あわただしく過ぎ去る期(さだ)め」(197ページ)。無常。2013/01/24

零水亭

3
最近『三体詩』(朝日文庫の古本)をよく読んでいますが、七言絶句、七言律詩では王維らに続いて、杜牧の詩も多くを占めています。この本に収められている詩では「江南春」「山石」や歴史物(「烏江亭に題す」「阿房宮の賦」)なども勿論よいですが、僕は「斉安郡の晩秋」が特によかったです→ この本で初めて知りました。

龍國竣/リュウゴク

3
日本人にも親しみのある「江南の春」より始まる。「阿房宮の賦」のように危機を訴える歌もあれば、「杜秋娘の詩」のように一人の女性の生涯を歌うものもある。捲土重来の典拠となる「烏江亭に題す」も。李白、杜甫、韓愈が文中に登場する。官人として生きた実直で才ある人物の詩集。2013/05/10

HYdaniel

1
人の世と自然の多彩な情景を詠む。「寄題宣州開元寺/ 松寺 曾て一鶴と同に棲む/ 夜深けて 台殿 月に高低す/ 何人か為に倚らん 東楼の柱/ 正に是れ 千山 雪 渓に漲る」など。しみじみと感じ入る。2022/05/17

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