出版社内容情報
(一)―(三)の訳者(小野忍)急逝のため中断していた『西遊記』が新しい訳者にひきつがれた.花果山にいた孫悟空も一行に加わり,天竺への旅は再開された.だが道は遠く,次々と現れる妖怪が行手を阻む.この物語の魅力の一つは,彼らを悟空が秘術を尽してやっつけるところにあり,どこから読んでもその面白さが満喫できる.
内容説明
三蔵の一行は、朝に行き夕べに宿り、飢えに耐えながら旅を続けて道のり漸く半ば。やがて前途に横たわるのは大海原にも似た通天河。そこに住む魔王は1年1度の祭りに男子・女子1人ずつを食べるという。早速悟空・八戒が身を変え、見事2人の子どもを救う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
128
三蔵法師を徳のある大人だと思うのはやめよう。修行を積んでいるから、汚れがなく、おまけにその徳のおかげで食べたら長生きできるらしい。だから妖怪に狙われるのに、本人は弱くてすぐ捕まり泣くだけだ。汚れのない幼児を連れているようなものだと思えば、彼らの旅は納得できる。様々な困難を解決してくれる悟空も出来ないことはあった。坐禅だ。なんせ、じっとしていられないのだから。そのピンチに三蔵が一言。「座禅なら、私ができる」あゝ、よかった。さすが法師だ。さて、この会は雷電が出てきたところが一番ワクワクした。2017/09/24
セウテス
53
前巻最後で紅孩児に拐われてしまった、三蔵を助けに向かう。紅孩児との戦いはし烈を極め、天の援軍も歯が立たなく為ってきた。何とか紅孩児を倒し三蔵を救い出すが、悟空も瀕死の状態になる。ここで蘇生を行ったのは猪八戒であり、何かとあっても流石に天界に属するだけの事は在る。旅も作中7年も掛けて半分迄来たというのに、三蔵は相も変わらず成長を感じない、これで本当に良いのか。そして再び登場の観音様、悟空とのやり取りが掛け合い漫才みたいで、楽しませてくれる。後半は通天河を渡るのだが、河の長さか幅か八百里とは驚きだ。 2018/01/18
NAO
47
前半は、牛魔王と羅刹女の子どもである紅孩児との戦い。まさかこの紅孩児が善財童子(文殊菩薩の脇侍)だったとは。悟空が自分一人で処理できない時に天界の諸神や観音菩薩に助太刀を頼みに行くのは毎度のことだが、徐々に助けに来てくれた援軍の諸神もろともやられることが増え始めている。そんな風に出会う妖魔は強くなってきているのに、真剣に師匠を守ろうとしているのは悟空だけだし、三蔵は相変わらず弱虫で愚痴っぽく簡単にさらわれてばかり。真剣味のない八戒をときどき悟空がからかうのも、仕方ないかも。2016/02/05
mii22.
45
(第四十一回から五十回)紅孩児との戦いから通天河を渡る回。紅孩児との戦いに苦戦する悟空。そしてまたしても観音さまの登場。同じように「バカざる」呼ばわりされても、三蔵には敬意を払い師と崇める悟空も、助けは求めても心の中では観音と呼び捨てにしている悟空と観音さまのやり取りは毎回面白くてツボにはまる。歩けば妖魔にさらわれ食べられそうになる三蔵と弟子たちの西天への旅もようやく中程までやって来た。次回はどんな災難に遭うのかなぁ。2016/12/11
ビイーン
27
三蔵法師一行が出くわす妖怪のネタが尽きないね。牛魔王の息子 紅孩児との対決も面白かったが、5巻で一番好きな話は3人の道士との対決かな。次の6巻から、いよいよ後半へ。2020/06/14