出版社内容情報
武芸十八般の達人や妖術使い等々,108人の愛すべき豪傑たちが湖水の中の要塞「梁山泊」に拠って,驚天動地の活劇を演じる武勇譚.後半は一転して悲壮な英雄悲劇に-.中国で,日本で,人々に愛好され,読み継がれた中国四大奇書(『三国志演義』『西遊記』『金瓶梅』『水滸伝』)中,最大の傑作.今回,完訳決定版を文庫化.
内容説明
武芸十八般の達人や妖術使いら108人愛すべき豪傑たちのとんでもない武勇譚。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
R
19
講談調で書かれた水滸伝100回版の1巻。史進、魯智深、林冲といった好漢が現れ、難事に見舞われた挙句、数奇な運命を辿り梁山泊に吸い寄せられていくといったお話。いずれも立派な軍吏だったが、いけ好かない上司と衝突したり、やまれぬ事情で罪人になるといった筋は一緒だけども、義侠によって助けられ、はたまた助けてといったお話が進む。面白いのだけども、私が現代人だからか、好漢たちの仕様が、やっぱり悪党じゃないかと思わされてしまう、続きで見定めたい。呉用先生なんて、悪辣極まりない。2016/08/07
かごむし
16
軽い気持ちで読みはじめたらこれが面白くって。豪傑たちの、暴力的な、時に不条理ともいえる、圧倒的なエネルギーは、社会にがんじがらめに縛られた、よく言えば平穏な、悪く言えば退屈な日常を突き破る爽快感がある。ゆがんだ社会の中で、己の信念を貫こうとすれば、その社会から脱落せざるを得ない。そうして、豪傑たちは、坊主になったり、山賊になったり、罪人になったりしていく。そうしたエネルギーが水のほとりへと集まっていくことが物語中に予告されているわけだが、そういう予定調和も含めて安心して読めるということもあるかもしれない。2020/10/05
ナハチガル
14
维基文库120回本の副読本として。原文は思ったよりは読みやすいが、やはり現代中国語にはない語彙が多く、百度などにも解説がないことがしばしばあるので、参考にさせていただいたのだが、見事な訳文だ。現代中国の小説は自然な日本語に訳すのはかなり難しいのではないかと思っていたが、古典については漢文読み下しの伝統があるからか、格調高い訳文に思える。子供のころ横山光輝版を読んでいたのでイメージが完全に漫画になってしまうのが難だが、それでもやはり面白い。「まずは次回の講釈にて」ってマチャアキの西遊記を思い出します。A。 2021/04/21
無識者
12
どこかしら抜けてるような個性的な人たちが登場しテレビドラマのようにこれこれは次回でとかやっていてつい読み進めてしまえる本。古典だからかたっくるしいのではないかと勝手にと思っていて損した気分。それにしても個性的...2018/04/03
かごむし
8
史進、魯智深、林冲という豪傑たちが次々と登場。僕は、魯智深が好き。見ていて飽きない。枠にはまらない生き方が、見ていて胸のすく思いがして、ページを繰る手が止まらなかった。1巻最終盤にて、いよいよ梁山泊登場。これからどんな豪傑があらわれるのか、ストーリーの大枠は知っていても、楽しみで仕方がない。2012/05/30