岩波文庫<br> 歌の話・歌の円寂する時 他一篇

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岩波文庫
歌の話・歌の円寂する時 他一篇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 215p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003118610
  • NDC分類 911.104
  • Cコード C0195

内容説明

歌人の感性と学者の分析、釈迢空の名を持つ折口信夫(一八八七‐一九五三)のふたつの眼はともに鋭い。歌の歴史と味わい方を若い読者に語る「歌の話」、歌の宿命と未来を問う短歌滅亡論「歌の円寂する時」。女歌の力を汲み上げる「女流短歌史」を併録。

目次

歌の話
女流短歌史
歌の円寂する時

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

双海(ふたみ)

11
やはり解説は岡野弘彦さんでしたか。時間をおいて再読したい一冊です。2014/10/24

かみしの

8
「歌の円寂する時」のみを再読。「作物の短い形であると言う事は、安易な態度を誘い易いものと見えて、口から出任せや、小技工に住しながら、あっぱれ辛苦の固まりと言った妄覚を持って居る人が多い」「作者の内的な動揺を洞察――時としては邪推さえしてまで、丁寧心切を極めて居る批評は、批評と認めないのかといきまく人があろう。私は誠意から申しあげる。『そうです。そんな批評はおよしなさい」2018/03/13

かみしの

8
正岡子規は源実朝と橘曙覧を紹介して、古今和歌集信仰を攻撃した。折口信夫は京極派の歌人に目を向けることで、古今的表現を受け継いだ御子左家への緩やかな反抗を示した。この二人によって古今的なものへの信仰は完全に破壊されたのではないか。歌のはじまり(あまりわからなかったけど)からアララギに至るまでの、和歌史が概観できる。なにやら上から目線だし、趣向は文学から程遠いという論には賛成できないけど、折口の和歌に対する熱意は伝わってくる。和泉式部やアララギ以降の女性歌人論は面白い。女が男の詠みぶりを真似ることの味のなさ。2014/02/02

gorgeanalogue

4
電子書籍。引用歌が句空けや句読点を施されると、釈迢空の体臭がついて違う歌のようになってしまう(のは面白い)。古歌についての解説は、非常に癖のある読解だと思うが、読み進めるうちに何となく、説得されている。口語歌は俗謡化するべき、というのは的を得ている(た)のかもしれないが、今となっては、問題は雲散霧消してしまった。結局のところ短歌形式の恐ろしい呪縛だけが残った、ということになるかな。「滅亡論以後」「古語復活論」とか関連のものも収めてほしかった。2018/04/17

うえ

3
「臆面ない私見を申し上げれば、歌は既に滅びかけて居ると言う事である。歌を望みない方へ誘う力は…三つはある。一つは、歌の享けた命数に限りがあること。二つには歌よみが、人間の出来て居な過ぎる天気。三つには、真の意味の批評の一向出て来ないこと…細に入り、作者の内的な動揺を洞察-時としては邪推さえしてまで、丁寧心切を極み居る批評は、批評と認めないのかといきまく人があろう…実はああした最初の流行の俑を作ったのは、私自身であったのである、と言う自覚がどうしても、今一度正しい批評を発生させねば申し訳のない気にならせる」2017/09/05

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