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岩波文庫
浄瑠璃素人講釈〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 342,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003117422
  • NDC分類 768.5
  • Cコード C0174

内容説明

下巻には「妹背山婦女庭訓」「伽羅先代萩」等に関する解説と、本書刊行後に杉山が雑誌『黒白』に連載した「絵本太功記」「ひらかな盛衰記」等の芸話を収録する。名人たちの逸話、語り口の描写は誠に巧みで文章は痛快である。本書は武智鉄二らが進めた浄瑠璃の「風の研究」の原点であり、後代の太夫や三味線方、研究家に大きな影響を与えた。

目次

第1部 浄瑠璃素人講釈(承前)(神霊矢口渡 四段目切 頓兵衛内の段;妹背山婦人庭訓 二段目切 芝六住家の段;妹背山婦女庭訓 四段目切 御殿の段;艶容女舞衣 三勝半七 酒屋の段;桜鍔恨鮫鞘 お妻八郎兵衛 鰻谷の段 ほか)
第2部 増補 浄瑠璃素人講釈(絵本太功記 十冊目口 夕顔棚の段;梅川忠兵衛冥途飛脚 新町封印切の段;鎌倉三代記 八ツ目切 三浦恩愛の段;心中紙屋治兵衛 新地茶屋の段;心中紙屋治兵衛 紙屋内の段 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

9
75 の「増補 生写朝顔話 宿屋の段」によると、危ききその というのは、「危 く(傍点)木曾の」(171頁)と語るべきだった、と指摘されている。副詞と形容詞の違いは一文字違いで大きいのは確かである。「楽芸(傍点)は、人間の心の食物である。これが心の食物になるには、感動せねば食物にならぬのである。感動せしむるには、修行をせねばその食物はお甘(い)しくない事となる。それを修行するには、師弟の礼儀が正しくなくては、師恩と云う物に絶対の尊敬が払えぬのである。師恩を尊敬して、その芸術が貴くなる」(238頁)。続く。2013/12/03

rinrinkimkim

1
達成感のある上下読了でした。字が多いんです。それも浄瑠璃を字にしてるので独特。御自身が謳う時いかに人が嫌がるか、嫌がるみなさんにどうやって聞いてもらうかアノ手コノ手を駆使する其日庵さんの姿がいじらしくもありちょっとうっとうしくもあり・・・回りのみなさんが逃げる姿、目に浮かびました。文楽三昧だったこの数週間。しばらく文楽系はやめておこう2015/06/09

qoop

1
愛して止まない浄瑠璃を大衆芸能から古典芸術の領域へと高めるため、各外題の初演者が確立した様式を今に伝えようと試みた革新的な研究/解説書。ときに芸の深さに打ち震え、稽古中に太夫からコテンコテンに叩き潰される著者こそ、明治大正の大物右翼・杉山茂丸その人。政界の黒幕と唱われ、強面のイメージがある彼だが、趣味で見せる顔はまるで別人のよう。さすがは〈狂的のデンデン病患者〉(p176)。2013/09/17

ゆらゆあん

1
この本を読みながら、摂津大掾や大隅太夫の録音を聴くと明治や大正の頃の文楽界の空気が味わえたような気がする。義太夫と三味線の事ばかりで人形の事には全くといっていいほど触れられていないのが残念2012/07/08

みつひめ

1
杉山茂丸の名前はなんとなく知っていたが、まさかこんなに義太夫に淫していた人だとは! まさに「婬している」というのがぴったりの入れ込みよう。早く上巻を、積ん読の山から発掘しなくては…。2011/01/26

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