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岩波文庫
里見〓随筆集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 379p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003106082
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

長兄は有島武郎,次兄が有島生馬.その生馬の友人志賀直哉との交友が始まった学習院時代から七十余年,『安城家の兄弟』『極楽とんぼ』など数多くの傑作を生み,九四歳の最期まで現役作家であった里見〓.遊興自在の青春を回想した「青春回顧」,作家,役者,映画人らとの幅広い交友録など,“最後の文士”が洒脱な口調で綴る随筆集.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カブトムシ

15
里見弴の随筆集である。師の泉鏡花のこと、兄たちの友人志賀直哉のこと、同時代の作家の芥川龍之介や谷崎潤一郎のことなどが綴られている。大正2年の4月から7月にかけて、『白樺』に「君と私と」という自叙伝風の長編を連載して、君は志賀直哉をモデルとした。大正3年には、ともに松江に住んでいる。しかし、その後絶交情態が続き7~8年は、会わなかった。それから、大正の終わりに付き合いが戻り、昭和初年には、ともに旧満州(現中国東北部)を旅行している。志賀直哉より5歳年少で、影響を受けた。兄の有島生馬が志賀直哉と同級であった。

7
「春の水ぬるむが如くに」、「喜多村緑郎追慕」、「籔枯」、「澄むを望む」あたりが面白い。紅野敏郎氏の言葉を借りるなら、表面は濶達でオープンな人柄、したいことを何処までもしたいと決意し、実行していく天衣無縫の性格、それらがおのれの文の呼吸と常に合致する、そういった感じの伝わる随筆集だった。2014/09/21

Ribes triste

5
豪胆とみせてセンシティブ。人生をもがき苦しんで達観することが出来た人だからこそ発せられる言葉である。随筆集としては、少し取り散かった感があるが、端々に落ちている言葉を拾うと心に優しく落ちてくる。2015/11/23

みなぎわ

3
志賀直哉と和解した事を綴った「春の水のぬるむが如く」を読みたいが為に購入。これを読む前に初期白樺派作品集の月報にて、志賀直哉の方が絶交期間中に、里見弴の新作を知人に読ませて感想を聞くなどしていた事を知っていた。其の為、お互いに和解したい気持ちがあるにも関わらず、切っ掛けが掴めず意地になって7、8年もの間交友を絶っていたのは、武者小路実篤もやきもきしただろうと推測に難くない。実際に仲直りするようにそれとなく促していた事も知った。志賀直哉の最期を看取ったその場に里見弴がいたのも、上記を考えると興味深い。2018/03/06

1
まごころ哲学というキャッチコピー?の人としか知らなかった、初めての里見とん。著名な小説家達との交遊や青春時代の話があって、泉鏡花や志賀直哉のエピソードを読んで本当に生きてたんだなあと思えた。2017/03/30

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