出版社内容情報
冬の桑名の月の夜,うどん屋の店先で酒をあおる旅芸人の若者は,なぜか夜空に響く按摩の笛に怯えている.やがておかみを前に三年前の因縁話を語りはじめた同じその頃,旅宿湊屋では,芸妓お三重が旅の二老人に薄倖な身の上を明かしていた.二つの語りの交錯が幽艶な陶酔境を現出する鏡花一代の傑作. (解説 久保田万太郎)
内容説明
冬の桑名の月の夜、うどん屋の店先で酒をあおる旅芸人若者は、なぜか夜空に響く按摩の笛に怯えている。やがておかみを前に3年前の因縁話を語りはじめた同じその頃、旅屋湊屋では、芸妓お三重が旅の二老人に薄倖な身の上を明かしていた。二つの語りの交錯が幽艶な陶酔境を現出する鏡花一代の傑作。