岩波文庫<br> それから (改版)

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岩波文庫
それから (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 330p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003101070
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

若き代助は義侠心から友人平岡に愛する三千代をゆずり自ら斡旋して二人を結びあわせたが,それは「自然」にもとる行為だった.それから三年,ついに代助は三千代との愛をつらぬこうと決意する.「自然」にはかなうが,しかし人の掟にそむくこの愛に生きることは二人が社会から追い放たれることを意味した. (注・解説 吉田〓生)

内容説明

3年まえ友人平岡への義侠心から自らの想いをたち切った代助は、いま愛するひと三千代をわが胸にとりもどそうと決意する。だが、「自然」にはかなっても人の掟にそむくこの愛に生きることは、2人が社会から追い放たれることを意味した。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

219
代助の境遇は随分違うのだが、三四郎の「それから」を描いた小説。作中で、もっとも悲劇的な側面を背負うのは三千代であり、それはそのまま『三四郎』の美禰子のその後に重なりそうだ。「高等遊民」たる代助の甘さにすべては起因するのだが、それは若さゆえにほんとうの愛を認識し得なかった者のすべてに共通する痛みだ。人はとかく誤解しがちなのだが、自分自身にさえ自分のことはわからない。後になって客観化しえた時にようやくわかるのであり、その時にはもはや如何ともしがたいのが人生の宿命である。漱石の小説の持つ深みが実感できる小説。2014/07/04

藤月はな(灯れ松明の火)

102
平岡との友情を選んで三千代を諦めた代助。今は親や兄からの仕送りで働く必要もなく、書生をおける程度に暮らしている代助は平岡と不幸な結婚生活を送っている三千代と会い、自分の気持ちを抑えられなくなる。幸福追求のための自我と公の中庸は難しい。「高等遊民」という言葉は優雅に聞こえるが、働く今となってはイラっとくる(笑)そして平岡との「織田信長に叱責された料理人がその後、どうやって務めたか」の考えの違いが印象深い。働く前の私は代助のような理想的な考えだったが、働くようになってからは平岡のような現実的な考えになったから2017/04/25

やきいも

91
三千代を愛していた代助。友人の平岡も彼女を愛している事を知った代助はあえて友人の為、2人が一緒になれるようとりはからう。数年後、三千代が幸せに生きていない事を知った代助は...。代助と三千代に待っているのは明るい未来ではないような気がする。しかし、2人とも後悔はしないのではないか。愛について難しく理屈っぽく論じてるのかな?と思ってたが違っていた。三千代がのどがかわいて思わず花瓶の水を飲む場面等美しい情景描写も沢山あった。漢文調の歯切れの良い文章でロマンティックなストーリーが展開されていくのも新鮮だった。2015/08/25

Y2K☮

60
疲弊した神経を休める為に始めた客観小説から離れ、漱石自身が抱える苦悩に時代性を絡めた重苦しい文学が姿を現す。その第一作。「三四郎」で自然に反して別れた相思相愛の二人が結ばれ、代償に周囲全てを敵に回す。働かずに親に養われる代助を嗤うのは容易いが、若干倦んではいても彼は与えられた自由をちゃんと活用している。家族に理解されなくても「こころ」の先生と同様、頭脳を鋭く研磨している。だからこそ三千代への恋が暗示する自然な心の価値に気づいた。それは日本人が陥り易い窮屈で偽善的な道徳への疑問。彼らのそれからは「門」にて。2015/11/19

ころこ

40
『三四郎』が眼前の客体の描写に終始したのと対照的に、本作は自己言及によって構成されています。冒頭に、何度も代助自身の身体が描写されます。心臓の鼓動を聞き、「彼の尤も嫌うのは羅漢のような骨格と相好で、」自らの「脂肪が薄く漲っ」た身体をみつめます。自己言及が可能になるのは、自らの身体が柔らかくなったところに言葉が浸透するように、「去勢」されるためです。しかし、代助は初めから「去勢」されているわけではありません。そもそも実家の金で生活しており、平岡夫婦の借金の肩代わりに兄のお金を頼り、それを断られるとぽかーんと2020/01/13

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