出版社内容情報
江戸時代は怪談の好まれた時代であり,早くから刊行された多くの怪談本は近世文学史に無視できぬ位置をしめている.本書は『宿直草』『奇異雑談集』『曽呂利物語』『伽婢子』『諸国百物語』『新御伽婢子』など代表的な十一種の怪談本から現代人が忘却の彼方におしやってしまった「不思議の園」としての作品を精選し脚注つきで提供する.
内容説明
怪談集が江戸人の嗜好に役じて普及するについては〈諸国咄〉〈百物語〉〈御伽=夜話〉等ハナシの編成法に斬新な趣向がこらされたことを忘れてはならない。ここにはそういう手法を代表するものとして『諸国百物語』『新御伽婢子』など4種の怪談集をとりあげた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YumiMori
3
二頭の牛がそれぞれ片足づつ引っ張ったら まあ股が裂けますし。うっかりしてたら拐われて木の股にざっくり。昔はやっぱり怖かった((((;゚Д゚)))))))2015/07/13
眉毛ごもら
1
江戸時代怪談集の㊦。㊤とダブル話しもあるが面白い。牡丹燈籠の改作が全然別物になっててワロタ。上方の話が多いのであんなところでこんなことがとか。百物語評判では江戸時代の人の怪異への五行説や朱子学に則った解説をしており面白い。江戸時代の人にとっては合理的(?)な解説だったのだろう。釣瓶火は陰の火だから雨に濡れても消えないんだよ!幽霊も陰の気が凝ってるから見えるんだよ!とかいうのから有馬温泉の地獄谷で虫が死ぬのは温泉の硫黄のせいだし座頭に見える岩もそう見えるだけの自然の景観だよと冷静だったりするので侮れない。2021/05/23
戦狐
1
手の目、青鷺の火など画図百鬼夜行などにも登場する妖怪が多く見られ楽しめた。『百物語評判』も妖怪や怪異現象を陰陽五行に基づいて解説しており、怪談とはちょっと違う気もする(現代で言う科学本?)がこれはこれで面白い2016/02/05
あにこ
1
最初はテンポ良く読み進められたが、終盤はさすがにダレてしまった。上・中にくらべ挿絵が多く楽しい。 上中下巻を一気に読むことなく、時間をかけて断続的に読んできたために、読み終わってしまうと少しばかり寂しさが残る。上巻を読み始めたのは2年前ぐらいだった気がする……。今後も暇なときにちょろちょろと再読したい。 2011/11/18
Meistersinger
1
「諸国百物語」の「相撲を挑んで来る幽霊」など、最早ネタと化している。江戸時代でここまで来てたのか。耳無し芳一などのハーンの元ネタ(直接ではないが)も多い2010/06/28