出版社内容情報
60年代のネオダダ,千円札模写事件,80年代の超芸術トマソン,路上観察.人々を挑発しつづける赤瀬川原平が改めて「芸術」の本質を問い直す.常識をくつがえし,既成概念に風穴をあける,脱芸術エッセイ集.
内容説明
芸術の前衛一本道を脱け出た自分が、モグラのように、いつの間にか利休の茶室の床下に来ていた―。芸術とは論じるものではなく、おこなうものである。60年代のネオダダ、千円札模写事件から80年代の超芸術トマソンへ、そして路上観察へ。人々の美意識を挑発しつづけてきた赤瀬川原平がついに到達した「侘び寂」の境地とは。「芸術」の原点にせまる脱芸術エッセイ集。
目次
1 芸術の素(考えことはじめ;波打つ偶然;本物そっくりのエネルギー;美の謎は乱数の謎;接触考)
2 在来の美(在来の美;セザンヌ筆触考)
3 脱芸術的考察(価値をつくる;自壊した絵画の内側;脱芸術の科学―視線をとらえる視線)
4 路の感覚(アークヒルズのエントツ;『吾輩は猫である』の猫の子孫;植物的無意識の採集;「ご当地」路上観察;「正解波」とのすれ違い;威風堂々の銭湯文化)
5 芸術原論(デュシャンからトマソンへ;芸術原論)