同時代ライブラリー<br> 無文字社会の歴史―西アフリカ・モシ族の事例を中心に

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同時代ライブラリー
無文字社会の歴史―西アフリカ・モシ族の事例を中心に

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  • サイズ 新書判/ページ数 318,/高さ 16X12cm
  • 商品コード 9784002600161
  • NDC分類 389.44
  • Cコード C0339

出版社内容情報

今日なお多く存在する“無文字社会”の歴史的性格を究明することは,人類文化における文字社会の位置付けの再検討に通ずる.西アフリカの現地調査の成果に基づいて無文字社会の性格を見事に分析した文化人類学の名著.

内容説明

文字と文明の発達の密接な関係から見て、今日なお多く存在する“無文字社会”の歴史的性格を究明することは、人類文化における文字社会の位置付けの再検討に通ずる。本書は、西アフリカ・モシ族の現地調査の成果に基づいて無文字社会の性格を見事に分析したものであり、わが国における文化人類学の記念すべき達成といえよう。

目次

非文字史料の一般的性格
文字記録と口頭伝承
モシ族の場合
系譜の併合
絶対年代の問題
歴史の始点
反復する主題
口頭伝承の定型化
首長位の継承
歴史伝承と社会・政治組織
イデオロギー表現としての歴史伝承
歴史伝承の「客観性」
歴史伝承の比較
制度の比較
発展段階の問題
「伝統的」社会という虚像
神話としての歴史・年表としての歴史
文字と社会

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

富士さん

2
初めて読んだ時のフランスの村も歴史を記録するのに文字に依らずに来たのであり、その点でアフリカの村と根本的な違いないのだ、という指摘を目にした感動は忘れ難いものがあります。文字によるコミュニケーションというものは、文字外のコミュニケーションの海に浮かぶ浮島に過ぎず、所詮点と線を結んだだけで世界を覆った気になっているに過ぎないのではないかという思いを強く感じたものでした。再読してみて、本書に横溢する歴史の文脈を支配して存在から犯す、文化という兵器に対する初々しくも直截な義憤に改めて強く胸打たれました。2015/05/26

ckagami

1
歴史学や文化人類学でくり返し参照されている書。フランスの田舎の村に王様が来たときお妃の小用のために村人がサラダボウルを差し出した、とか、熱帯のある地域では開花する花の匂いによって年月を認識する、とか、「あーっこの話どっか別の論文で読んだよ!」という印象的な挿話が出てくる(いずれも欧文論文の引用)。無文字社会で実証主義史学はいかに無力か、ということばかりでなく、無文字社会や無文字性をいかにより広い「歴史学」で取り扱うか、示唆に富む。読みやすい本ではないがやはり原典に当たるのは大事。2021/02/28

MIRACLE

0
文字をもたない民族の歴史について、実地調査をもとに、論じた本。立論の誤り、悪文、読み手に伝える努力の放棄。文句なしの悪書である(読み進めるのに、解読作業を必要とする)。立論について、筆者は、文字と歴史の定義を怠っている。そのため、無文字では歴史は成立しないことに、気づいていない。歴史は、世界観にもとづく、出来事についての文字を用いた意識的な記録だ。例えば、インド文明は、文字はあったが、歴史はなかった。一方、中国の金は、文字をつくり、歴史を残した。したがって、筆者がモシの「歴史」を論じるのは的はずれなのだ。2014/08/14

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