出版社内容情報
あまりにも名高いこの不朽の名作の表題レ・ミゼラブルとは「悲惨な人々」という意味.ユーゴーは主人公ジャン・ヴァルジャンの波瀾の一生を描きつつ,貧しい民衆に寄せる限りなき愛情,そして人類社会の進歩へのゆるがぬ確信を表現したのである.三百枚に及ぶ原書挿絵を収録.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白のヒメ
21
魂はもともと神性を持つ存在だけれど、「人間社会」という混沌の中に生まれ、貧困と無知にまみれていくうちに、堕落し「みじめな人々」となってしまう事が多いのだと作者は切々と訴えている。王政復古の前後の波乱に満ちたフランス。貧しい生活の中でも、必死に自分の運命と戦おうとする登場人物達が胸に迫る。当時のフランスの社会情勢、町並み、経済、文化などの様子が詳細に書き込まれ、時代を知る資料の要素は「白鯨」に似ている。150年前に書かれた小説が、今でも繰り返し舞台や映画になる理由は、魂のドラマがここに凝縮されているからだ。2013/10/31
星落秋風五丈原
15
【ガーディアン必読1000冊】罪を犯した者は一生悪人とするジャベールと罪を犯しても償えば神は許すとするジャン・ヴァルジャン。二人は人間の二つの面を表している。優しく素直なコゼットは典型的ヒロインだが両親の転変のもとで否応なく運命を変えられるエポニーヌはコゼットの写し絵。2006/09/03
祐李
8
何度となく読みました。映画もやってるのでおさらいとして読みました。有名な教会での牧師から諭されたシーンとラストの方のジャベールがジャン・ヴァルジャンに助けられその後、マリユスを助けるためヴァルジャンと一緒にジルノルマン邸へマリユスを送り届けてヴァルジャンを逮捕することなくその場から立ち去ったシーンが感動してしまった。マリユスとコゼットの幸せなシーンもとても素晴らしいです。他の者の為に生きるヴァルジャンはとても素敵な人です。2012/12/30
kocka
7
2013~2014の冬に。英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1000冊を読破しよう!の本棚に入れるため追加記載。何度も読んでいます。
Amati
7
長 か っ た...!!!そして、ものすごく面白かった。驚きました、面白くて。150年前、作品の発表当時は「話が面白すぎる」として文学的な評価は高くなかったそうな(150年前のラノベ?)。革命の悲劇なんか、皆殺しの田中を彷彿とさせる展開でグランテールさん大好きです(笑)ジャンが可哀想で可哀想で終盤は読みながらお腹がキリキリ痛かった。そしてマリユス大っ嫌い。単なる最低男で何もやってねーだろ!ホンット面白いんだけどとにかく長いので読むのはコレじゃなくてもいいかなと。。。舞台版は本当に見事に纏めたんだなあ。2014/07/10