出版社内容情報
5つの物語(「カワウソ」「ダークローズとダイヤモンド」「地の骨」「湿原で」「トンボ」)と,作者による詳しい解説を収める〈外伝〉.作者の構想したアースシー世界の全貌が鮮やかに見えてくる,「ゲド戦記」ファン必見の一冊.
内容説明
アースシー世界を重層的に描く、5つの物語―「カワウソ」「ダークローズとダイヤモンド」「地の骨」「湿原で」「トンボ」。巻末に、ル=グウィン自身による詳しい「アースシー解説」。
著者等紹介
ル=グウィン,アーシュラ・K.[ルグウィン,アーシュラK.][Le Guin,Ursula K.]
1929年、アメリカ、カリフォルニア州バークレーに生まれる。『闇の左手』を初めとするSF作品で、ヒューゴー賞、ネビュラ賞など数々の賞を受賞しているが、「ゲド戦記」シリーズでファン層を飛躍的に広げた
清水真砂子[シミズマサコ]
1941年、朝鮮生まれ。青山学院女子短期大学教授
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とまと
17
『アースシーの風』を読む前にまえがきと「トンボ」のみ。数点疑問が残ったが、良かった。舞台はアースシーのまま、(自分で創り上げた)世界を一度壊して創り直す試みをしたル=グウィンはすごいと思うし、その試みが始まった4巻以降を真摯に読んでこそゲド戦記を読んだと言えるのではないか。2013/10/16
ぱせり
13
ゲド以外(ゲドが出てくるのもあり)のアースシーの物語を五つ読み、この世界の厚みと幅が広がったような気がします。好きなのは『地の骨』。偉大なことを為した所よりも、ひとりで老いていくことを静かに受け入れる姿に、大きな知恵や豊かさがあるように思えて、わたしもいつかそんな老い方ができるのだろうか、と思いました。2010/03/24
金平糖
10
副題が「ゲド戦記 最後の書」となっていた「帰還」の出版から11年後本書と「アースシーの風」が出版され翻訳者も驚くと共に納得もされたとか。「カワウソ」は「ゲド戦記」の始まる三百年ほど前のゲドも学んだローク学院の設立秘話。「ダークローズとダイヤモンド」はいわゆる恋話。「地の骨」は、ゲドの師匠オジオンが若かりし頃大地震からゴンドを如何に救ったかという話。「湿原で」は、大賢人となったばかりのゲドの旅のお話。「トンボ」は「帰還」と「アースシーの風」の重要な橋渡し役。 四つ目の「湿原で」の主人公イリオスの話しも登場。2006/06/04
k16
10
20101020読了。 読んだ。自分の中でアースシー完結だな。 ロークでの魔法学校の始まりとか、オジオンの地震話とか大賢人ゲドのちょっとしたエピソードとか外伝らしく楽しめた。 しかし「トンボ」読後は「アースシーの風」もう一回読みたくなった。2010/10/20
シュウ
10
この外伝はアースシーに生きる人々にスポットを当てて書かれている。ここで語られなかったら、知られることはなかった物語の数々。2015/02/16