出版社内容情報
気だてはいいが食いしんぼうの粉屋の娘ドルが,小鬼のたくらみで王さまの妃になりました.妹のポルが銀のシギの助けを借りて,姉の危機を救います.素材は,昔話の「トム・ティット・トット」.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュシュ
11
名前を当てるイギリスの昔話、トム・ティット・トットをもとにした創作。ドタバタコメディなのだが陳腐でなく、銀のシギ、フェアリーが出てくることで美しい彩りを添えている感じがした。登場人物のキャラクターが面白くて、子どもの頃テレビで見た外国のコメディドラマを思わせた。王様をはじめとして乳母など王家の人たちが可笑しく描かれているのが風刺のようでもあって面白かった。昔話にはない女王の妹ポルの活躍もよかった。2014/12/21
ぱせり
11
もとのお話「トム・ティット・トット」の一人の女性から性格真逆の姉妹が生まれたこと、おまけに王さまは二重人格ですと。ちょっと古い舞台の香りが心地よいです。それにしても、こんな二重人格男を夫にしたいかな、ほんとに。日和見のその場しのぎのお約束もしちゃだめでしょ。2009/08/24
Ribes triste
7
これも小学校時代からの愛読書。おとぎ話だけど一筋縄じゃ行かない楽しい物語。性格は違えど仲良し姉妹ポルとドルが主人公です。子供心にドルの活躍が痛快でした。女の子も冒険するのだ。恐ろしいはずの小鬼も困っちゃう王様も、登場人物全てがなんだか滑稽で憎めないのです。2016/02/24
ぼんくら
5
作品集6巻目。イギリスの昔話を下敷きにしている。怠け者の長女ドルがパンを12枚も一人で食べたことを恥じた母が、12かせも麻糸を紡いだと言いかえたことから始まるコメディ。王さまの妻になったドルは黒い子鬼に糸を紡いでもらうが、子鬼の名前を当てられなければ子鬼につれていかれてしまう。もう成人しているのに甘ったれで、かんしゃくもちで、乳母に叱られてばかりの王さま、怠け者だけどおっとり夢見がちなドル、賢いけど元気で優しいポル、考えるより生活すること第一の肝っ玉母さんなどなど、舞台劇を観ているようで楽しかった~。2011/09/05
mabel
4
大好きなファージョンを石井桃子さんの訳とシェパードの挿絵で堪能しました。「ルンペルシュティルツヒェン」の方が馴染みがあったけど、こちらもよかった。ポル、なんだか切ないなぁ。。。これからどう生きていくんだろう。「オパールに輝く巻貝の、そのくるくる巻きこんでいる穴に目をあて「あたし、この中、見たい。この真ん中を」「海が入ってるんですよ」」2015/04/03