出版社内容情報
ストックホルムの公園から,男の子がひとり別世界へ迷いこみます.すばらしい白馬とともに悪い騎士と戦う彼の耳に,魔法の国の王である父の「ミオよわたしのミオ」という励ましの声がひびきます.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
98
家族の愛情を知らない少年が『はるかな国』で王子として迎えられる。何もかもが美しく誰もが優しい子どもの理想郷。少年はこの国に恐怖をもたらす邪悪な騎士を退治するため旅に出る。子どもなら純粋にファンタジーとして楽しめるのだろうか?私にはそこが天国に思えた。少年は天使になり、騎士の姿をした胸の中の悪魔と闘う。詩のような文章に物悲しさが漂い、表面上の物語とは別の旋律がひたひたと胸に染みこんでくる。2017/06/02
うみ
9
久しぶりの児童書。先日リンドグレーン展の帰りにお迎えしたセレンディピティな本です。主人公ミオの冒険にハラハラしながら一気に読んでしまいました。本を膝の上に抱えて夢中で読んでいた頃のわくわくが戻ったようで、お伽噺は偉大だと感じました。子供には世界での居場所を見つけるために本が必要なのだと説いたリンドグレーンによる美しいお伽噺。2019/05/25
志田健治
4
とても美しいお話でした。一言一言、詩のように、訳者の繊細な言葉遣いにも感心しました。訳者・大塚勇三さんのあとがきにもいつも胸を打たれます。今まで読んだリンドグレーン作品の中ではこれが一番悲しい内容でした。どこがどうというわけではないのですが、ずうっと悲しい霧がかかっているようでした。エンデ作品にも通じる無常感なのかもしれません。誰しもが心の深い部分に持っている、感情では計れない本当の物語が描かれているように思います。『はるかな国』の美しさが、読後も胸をしめつけます。その優しさが何故か痛いまま残っています。2015/01/13
ホレイシア
4
学校の図書室で何回借りたか(笑)。
かずちゃん
2
悪者を退治しにいくなど昔話と似ているところがある。人間界で意地悪されていたが実は違う世界の王子だったそこは、今までと違って楽園だったが隣には悪者が住んでいる。そんなファンタジーの作品でした2014/09/05
-
- 和書
- やがて幸福の糧になる