ケストナー少年文学全集
わたしが子どもだったころ (改版)

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  • サイズ A5判/ページ数 250p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784001150575
  • NDC分類 K943
  • Cコード C8397

出版社内容情報

ケストナー自身が,自分のおいたち,両親や先生のことなどを語った自叙伝.からだが小さく,貧しい家庭に育ったケストナー少年のたゆまぬ努力や,親子の情愛などが,静かな感動をよびます.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なる

33
児童文学の大家であるケストナーによる自身の子供の頃を綴った回想録、ではあるけれど文章がやさしく少年ケストナーを中心とした物語、といったような読みやすい話になっている。存在感の薄い父親もさることながら母親からの深い愛情があったことが後の児童文学へとつながっているということが伝わってくる。子供の頃のことをよくこんなに覚えているな、と感心してしまう。ユニークな叔父や厳しくも優しい先生たちといった周囲の大人たちの描写も素敵。そしてなんといっても海を見に行った旅行から突如として終わる子どもだったころは衝撃的。2022/12/27

テツ

19
作品では小さく弱い存在であるこどもを常に慈愛に満ちた描き方で捉え、こどもの悩みや苦しみを決して取るに足らないことだとは考えなかったケストナー。彼は穏やかで優しげな著作からは想像できないような反骨精神の持ち主だった。ナチスを公然と批判し自らの著書が発禁となり焚書される際には見物に行くほどの凄まじい反骨精神。そうした彼が創り上げられるまでの回想録。愛と知性は人を強く鍛え上げる。モラトリアムを弄び反体制ごっこをしているアホな子たちに真の反骨精神とはどのようなものなのか是非知って欲しい。2017/11/12

マツユキ

12
以前『ケストナーの終戦日記』を読んだのですが、こちらも。タイトル通り、ケストナーの子供時代をエッセイにしたもの。父と母の仕事、親戚たち、家に下宿していた教師た ち、ケストナー自身の事。生き生きと描かれていて、色々ケストナー作品を読んでいたら、モデルなどが分かるのかな。語り口には、癖を感じるのですが、どのエピソードも楽しいです。立派な母親ですが、その分、どちらもしんどい。戦争で子供時代が終わるというのが、悲しい。長いな。2021/04/02

アリクイ

11
久しぶりに読みました。ドイツの作家、ケストナーが自分の子供時代を書き記した自伝。自分はあの時、どこでどんなことをしていたのか。その時はどういう気持ちだったのか。暮らした街にはどんな人がいたのか、何があったのか等を詳細に、丁寧に読者へと語りかけてくれます。そして、それらを無に返してしまった世界大戦、戦争の恐ろしさも…。「いちばん価値があるのは、楽しいにせよ、悲しいにせよ、幼年時代である」という前書き内の一文、子供達に伝わって何かを感じて欲しいなあと思います。2014/07/25

Hiro

5
ユーモラスで巧みな言い回しの多用された名文。この著者を知らないではなかったけれど、今まで読まなかった不勉強が残念。19世紀の終わりに生まれ第一次大戦の始まりと共に大人になったと考える著者の、決して裕福ではない、ドレスデンでの子ども時代の思い出が活き活きとした挿話を通して描かれていく。先祖の話、父母の面影、親類や学校の先生との交流など。特に母親の生き方、子育ての仕方が著者に強い影響を与えたと分かる。本来の代表作をもっと読むべきとひとしきり反省。2022/09/27

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