出版社内容情報
アンデルセン賞作家がみずみずしい感性と空想力で紡ぎだした,美しく幻想ゆたかな自選短編集.この巻には,「サン・フェアリー・アン」「しんせつな地主さん」「パニュキス」など13編を収めます.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
61
楽しかった。至極の読書。それぞれ趣が異なるけれど、やはりこんな状況なので心温まる物語がいいな。意外と深い人間ドラマで心に染みる。石井桃子さんの大胆な意訳も楽しい。そして、ラストの「パニキュス」の美しさ。2020/04/23
ぶんこ
50
感想を書くのが難しい。深読みしすぎたのでしょうか、この本を子どもさんが読んでわかるのかな?と思ってしまいました。子々孫々代々に亘る同じ名前とともに繋がれていく事ごと。特に「サン・フェアリー・アン」が印象的でした。名前とともに子に孫に可愛がられてきたお人形。(セレスティーン)と(サン・フェアリー・アン)という名前のお人形と持ち主の不思議な巡り合わせに胸がキュ〜ンとなりました。2020/06/22
たつや
46
「本の小べや2」がよく見えず、まさか、一緒に借りた「ムギと王さま」と、同じ作者で同じシリーズとは知りませんでした。ので、魔法にかかった気分で一気読みですが、こちらは歌や呪文が多く、そこに引っ掛かってしまい、とても読みずらかったです。それ以外は挿絵も味があり、グリムやアンデルセンとは、味わいの違う素晴らしい童話でした。2016/12/05
シュシュ
22
珠玉とは、こういう物語のことだと思う。読んでいる間、とても幸せだった。『生きることが、あまりにも重荷になったとき、世のさまざまなものの美しさが、…せまってきて、パキュニスの笑い声が、…天から、地から、「もっとたのしそうに、もっとたのしそうに!」とよびかけることのあるのを。』 特に好きなのは『天国を出ていく』『小さいお嬢さまのバラ』『ねんねこはおどる』『サン・フェアリー・アン』『しんせつな地主さん』『パキュニス』2014/09/09
秋
10
雨だれのような文章だなと思う。楽しげに跳ねたり、悲しげに響いたり。一気に読んでしまったけれど、毎晩眠る前に一編ずつ読みたかった。あるいは、雨の音を遠く聞きながらミルクティーを片手に、とか。こういうお話は、発想が自由で色々な世界を飛べるから楽しい。2016/04/13