出版社内容情報
別世界に入った女生徒ジルは,行方不明のナルニアの王子をさがすことを命ぜられ,友だちのユースチスや沼人の泥足にがえもんといっしょに,北へ北へとつらい旅をかさねます.
岩波少年文庫 ナルニア国ものがたり
1. ライオンと魔女
2. カスピアン王子のつのぶえ
3. 朝びらき丸、東の海へ
4. 銀のいす
5. 馬と少年
6. 魔術師のおい
7. さいごの戦い
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
291
前の巻では海洋冒険が描かれたが、今度は地底世界へ。イギリスではキャロルの『不思議の国のアリス』、フランスにはヴェルヌの『地底旅行』、そしてドイツにはワーグナーの『ニーベルングの指環』のニーベルハイムがある。もちろん、それらに遥かに先行してゲルマン神話などに語られた地底の国の物語があった。さて、本編の主人公はユースチスと新たに登場したジル、そしてリリアン王子と、やや小ぶりの陣容だ。逆に言うと、ここではそれを補うためにも物語の展開が起伏に富んでいたのでもあるが。ただし、アスランがやや登場しすぎの感も否めない。2015/10/23
れみ
82
ナルニア国物語4作目。前作でエドマンドとルーシィがナルニアを卒業しペベンシー家の子どもが誰も登場しないユースチスとジルのお話ということでどうなんだろうという心配があったものの、それを良い意味で裏切る面白さ!ふたりと一緒に旅する泥足にがえもんも良い味出してた。それにしてもカスピアン王の息子のリリアン王子をおびき出した魔女があの魔女と同じ魔女だったとはびっくり。次はピーター王の時代の話まで戻る模様。楽しみだなあ。2015/11/18
たつや
44
時空が入り組み、頭が混乱気味です。子供は普通に読めてるのか疑問。ただ、各シーンだけ集中して読んでも面白いし、世界観は素晴らしいと思います。児童向けの「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と言う雰囲気もあるけれど、書かれたのは当然、こちらの方が古い。2016/12/14
星落秋風五丈原
38
【ガーディアン必読1000冊】前作とはうってかわって素直になったユースチスとその友人ジルがカスピアン王子の息子リリアンを助けに行く冒険譚。2006/08/07
まーみーよー
31
ユースチスと学校の知り合いジルがナルニアへ。この巻は宗教色が強い感じ。興味深いのはイギリスとナルニアの隔てがゆるかったこと、地底の国が一つではないこと。思い込んでいた自分の先入観を覆される。ユースチス達と一緒に冒険をした「ぬまびと」、にがえもんの人物設定も好き。彼が魔女に対峙する場面は最高だ。2023/09/04